第26話 幽霊談義
僕は缶コーヒーを一口飲んで、
「はぁ」と大きな溜息を吐いた。
それを見たスガワラさんが
ふたたび頭を掻いた。
「そんなにがっかりすることはないさ。
以前にも話したことがあるだろう?
自殺や不慮の事故など
望まぬ死を遂げた者は
成仏できずに
この世に留まることもあるって。
いわゆる霊と呼ばれている存在だね。
つまり。
この世には
未練を残して死んでいった者達が
霊となって多数存在している。
まあ稀に自分が死んだことに
気付いていない霊もいるけどねぇ。
ボクの研究では・・」
いつの間にか
スガワラさんの幽霊談義が始まっていた。
僕はもう一度今度は小さく溜息を吐くと
改めて缶コーヒーに口をつけた。
「霊の多くは地縛霊で
これは土地や建物など
特定の場所に留まる霊だ。
一方で。
フラフラと自由に動き回る霊もいる。
浮遊霊とか略して遊霊
と呼ばれているモノだ。
いわゆる幽霊だね。
また。
人に憑く霊もいる。
代表的なのは
背後霊と呼ばれているモノだ。
日常的に肩こりや疲労を
感じている人間は
背後霊が憑いている可能性も
考えられる。
そして。
背後霊の中でも
憑いた人間を守るのが守護霊で、
逆に憑いた人間に災いや不幸を
もたらすのが死霊や怨霊
と呼ばれるモノだ。
風邪をひいたり病に罹るのは
死霊や怨霊の仕業だね。
死霊や怨霊のように
人に害をなすものを悪霊と呼ぶが、
地縛霊や幽霊の中にも悪霊はいる。
例えば。
交通事故が良く起こる
交差点があるだろう?
そういう所には必ず悪い地縛霊がいる。
他にも変わったところでは、
生霊というのもいる。
これは生きている人間の
強い思念や感情が
他人に影響を及ぼす現象だ。
呪いによって人を殺すというが、
それは術者の想いが生霊となって
対象者を苦しめているんだよ。
そして・・」
「スガワラさん。
霊の話はわかったからさ・・」
毎度長くなるスガワラさんの幽霊談義に
若干食傷気味の僕は強引に口を挟んだ。
「ああ、すまない。
つまりね。
ボクが言いたいことは。
もし。
彼女が望まぬ死を遂げたのであれば、
その魂はまだこの世を
彷徨っている可能性がある
ということだよ」




