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異端者達のメメント・モリ ~冬の始まり  作者: Mr.M
二章

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22/57

第22話 『仏滅の虐殺』

「その2人に関しては

 妻鳥とは無関係だと思う。

 たしかに九はちょっと危ない奴で、

 女子も距離を置いてるけど、

 妻鳥だけは気さくに話をしてたし。

 それは二ノ宮にしても・・」

その時。

ふと僕の頭に

『仏滅の虐殺』と呼ばれている

猫惨殺事件のことがよぎった。



この1年間で4件。

宿禰市のあちこちで無残に殺された

猫の死骸が見つかっていた。

始まりは去年の6月20日。

その日の早朝。

舞鶴町の高層マンションの下で

転落死した猫の死骸が発見された。

この時は単なる事故として処理された。

それから3か月後。

9月25日。

物部町にある物部神社の境内の下で

両目にダーツの矢が刺さった

猫の死骸が見つかった。

さらに3か月後。

12月14日。

允恭町にある公園の遊具で

首を吊られて死んでいる猫の死骸が

見つかった。

そして。

今年になってからは

5月6日。

領家町にある

『よせごおり温泉』の駐車場で

全身の骨が砕かれた猫の死骸が

見つかっていた。

この時点でこれらの4件は

同一犯によるものであると

とある昼の情報番組が報じた。

そして。

奇しくもこれらの死骸が発見された日が

仏滅だったことから、

マスコミはこの事件を

『仏滅の虐殺』と名付けて、

仏滅が六曜の4番目であることから

この犯人を『No.4』と呼んで

大々的に取り上げた。

「動物の虐待から凶悪犯罪に

 発展するケースが少なくない」

とテレビに出ている自称専門家達が

口を揃えて訴えていた。

一方で。

「猫殺しに人員を割くほど

 警察は暇じゃない」

SNSでそう発信した有名インフルエンサーが

炎上したのも記憶に新しかった。

そして。

どういうわけか最近になって

学園ではその『No.4』こそが

二ノ宮だという噂が流れていた。



「ふうん」

僕の話に耳を傾けていた幻夜の瞳が

獲物を見つけた猫のように妖しく光った。

「あ、あくまで噂の話だし。

 僕には二ノ宮が

 そんなことをする奴とは思えない。

 きっと噂の出どころは

 あいつにフラれた女子だと思うけどね」

僕は慌てて言葉を付け足した。

「でも。

 『火のない所に煙は立たぬ』

 って言うでしょ?」

「火のない所に煙を立てるような

 卑しい人間が

 この世には沢山いるけどね」

「ま、それは否定できないけど。

 ねぇ。

 そんなことより。

 妻鳥小絵のことで他に情報はないの?

 例えば。

 彼氏と揉めていたとか」

「妻鳥に彼氏はいなかったと思う・・」

僕は幻夜から目をそらして

机の上のコップを手に取った。

僅かに手が震えていた。

「ふうん。

 じゃあストーカーね」

その瞬間。

僕の頭に『ピーピングトム』に投稿された

妻鳥の盗撮画像が浮かんだ。

僕はごくごくごく

とアイスコーヒーを飲み干した。

じわりと汗が滲んでいた。

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