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第1話「感情の捻じ曲げ方」


────瀬奈。あいつをどかして。


JLNはオリヴィエの見張りを除いた全員でアメリカにある政府本拠地に乗り込んでいる。


あれから、全員で話し合ったが、結局私の案が採用された。当たり前だ。1番合理的である。


そして、オリヴィエはまだ意識を取り戻していない。私が情報を吐かせて殺すまで、オリヴィエは生かすことになった。


それにしても瀬奈は従順でいい子である。おそらく、私があの時助けようとしたから私の言っていることを無条件に信じてくれているのだろう。ありがたい。


『瀬奈ちゃん、幸奈ちゃん!無理しないでね?』


トランシーバー越しに皇隊長が私たちに話しかける。当たり前だ。「Emotion」を持った2人が最前線で戦っているのだ。私たちを失えば大損害どころの話ではない。


この作戦は失敗が許されない。


「はい」


私は相手に感情を与える。瀬奈がその感情をコントロールし、動かす。ただ、それだけのことだ。


────よし、とりあえず政府の建物内に入れた。


誰にも気づかれていない。


「こんにちわぁ〜可愛いお客様だねぇ〜」


え!?その女は唐突に私たちの背後に現れた。


「まさかぁ〜こんなところまでこれるなんてねぇ〜。こちらを向かず、手を上げろ。抵抗しちゃ〜いやだよぉ〜?」


私たちに銃口を向けながら脅してくるようだ。


「『Emotion』なんて使われちゃったらぁ〜困るものねぇ〜。私はダリアナ・ラッセル。相手の時を止める『Emotion』を持ってるのぉ〜すごいでしょ〜」


『2人とも逃げ…』


────バン


トランシーバーが壊される。


しかし、これで銃口は私とトランシーバーに向くことになる。


「瀬奈!今だ!」


「はぃ…?」


そこにダリアナはいなかった


「あらぁ〜だめよそんなことしちゃ〜」


ダリアナはまた、「Emotion」を使い時を止めたらしい。強すぎる。



────私と瀬奈は牢獄に入れられた。


おそらく、死刑執行の準備をするのだろう。


ここから抜け出すには今しかない。しかし…


考えろ。考えろ。考えろ。




────おらぁ!!死ねぇ!!死ねぇ!!お前がいなければ!!お前さえいなければ!!


暗い牢獄の中、瀬奈は私を殴り続ける。


「何をやっている!!早乙女瀬奈!!」


見張りが私たちに駆け寄る。


「今だ!!」


私は感情を与える。そして…


「私たちをここから出してください!」


一旦、作戦は成功した。牢獄の外には出れた。しかし、


「何かあったのか!」


他の看守がこちらに来るようだ。


「ここには異常がないことを伝えてください!」


「いや、なんでもない!大丈夫だ!」


「そうか。あんま大声だすなよ」


よし…もしダリアナに異常が伝わればまた、ここに戻ってくるはめになるかもしれない。私たちの能力だと勝てる確率は低い。


「このまま王を殺しに行こう」


作戦を続行する。



────ここは…実験室?


真っ白な実験室と思われる場所にきた。


実験室の中には、ちょうど人が入れる程度の大きさのカプセルが何百個も敷き詰められていた。そして、その全ての中に水が充満している。


────コツ…コツ…コツ…コツ


2人の足音が室内に響く。


「よし、ここを出れば王室に入れるはず…」


「はぁ〜ま〜たこんな事してるのぉ〜?だめじゃなぁ〜い」


クソッ…バレたか!


「さぁ〜!手を挙げましょ〜ねぇ〜」


────カチャ…


引き金に手を置いたらしい。どうする。このままだと…






────今だ!!!


ドンッドンッドンッ!!!


「敵は時を止める能力がある!しかし、それは感情がある人のみに有効だ!!銃弾を打ちまくれ!!!」


JLNが助けに来てくれた!?


「クッソォォォォ!!!!!…ここは一旦…」


その時、カプセル内の水が銃弾によって飛び散った。


「あなたは王を殺してください!!」


「何!?まさか…水に反射した私の目を…」


流石は瀬奈だ。判断力が凄まじい。


「全員!!砲撃中止!!砲撃中止!!」





「あぁ…そうだ…ねぇ〜王は殺さなくちゃ…だよねぇ〜」


ダリアナはそう言うと足を(もつ)れさせながら王室に歩いていった。


まるで、王を殺すために生まれてきたかのように必死に歩き続けていた。



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