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第6話「覚悟」


────オリヴィエよ…青葉幸奈を殺してくれ。


あいつは強制的に相手の感情を蘇らせる「Emotion」を持っている。


お前も幸奈の「Emotion」によって感情を持った。


あいつは危険だ。人類の敵だ。


「そんな…話し合いで解決しましょう!幸奈は話せば分かるはずです!」


「駄目だ…『Emotion』は段々とその力を増す。幸奈の力は発動条件を変え、周りにいる人が皆、感情を取り戻すことになるだろう。この世界は幸奈が居ることで破滅へと向かうことになる…」





────クソッ…俺は…どうしたら…


「オリヴィエよ…そんな顔をするな…」


「お…父様…何を…」


お父様は唐突に私の体をその手で抱擁(ほうよう)した。


「ごめん…ごめん…ごめん…オリヴィエ…こうするしかなかった…許してくれとは言わない。ただ、今だけはこうさせてくれ…」


頬に涙がつたる。


「お父様…お父様!お父様!」


(オリヴィエ…オリヴィエ…オリヴィエ…愛してる)


「お父様…?」


お父様の体の中から声が聴こえた…?


それはノア家の「Emotion」だ…相手の感情を読み取る能力。


おそらく、お前の発動条件は涙を流すこと。


「そう…ですか…俺は…俺は…幸奈を殺します…」


「ごめんよ…オリヴィエ…私がやっても…」


「俺が…やります。これは俺のけじめです」




────かたっかたっかたっ


死刑上に自分の足音が響きわたる。


足が震える。


体が動かない。


「オリヴィエ!?助けに来てくれたの!?」


ヒッ…違う。違う。違う。話しかけるな。幸奈は人類の…いやだ。いやだ。いやだ。


「みんな…巻き込んでごめん」


やっぱり無理だ。俺にこいつらを殺すのは…


「いいよ!そんなこと!早く逃げよう!」


俺は涙を流していた。幸奈たちは暗くて気づかないだろう。


(オリヴィエが助けに来てくれた!良かった!良かった!良かった!オリヴィエ…オリヴィエ!!!これでまた、みんなと逃げれる!!オリヴィエ…大好きっ…)


幸奈の声が聴こえる。俺を好いてくれているらしい。


(良かった…これでまた、幸奈とオリヴィエと…お母さん…私はこれでいいのかな…お母さんを置いて…)


璃の声が聴こえる。俺は花さんを守れなかった。


だから、


「駄目だ。俺はお前らを殺しにきた」


花さんの為にも俺はここで幸奈たちを殺す。


「なん…で…?一緒に逃げようって…言ってくれたじゃない…?」


あぁ、これが終わったら俺も一緒に逃げるよ…そっちに行くよ。だから、ここは…


「駄目だ。感情は悪だ」


感情は悪だ。人類の敵だ。


もう、涙は流していない。


「感情を消されてしまったの?なんで急にこんな事し始めるの?人殺しは嫌だって…言ってたじゃん!!!」


俺は感情を押し殺す。それから発言する。


「感情は…ある…だが、俺にはやらなければならない事がある。世界を…………」


俺は人類を救う。そうするしかない。


「好きだったよ。幸奈…ごめん」


やっぱり感情は押し殺せていなかった。


口が勝手に動いてしまった。


覚悟を決めろ!!!


────引き金に手を添える


手が震える。引けない。引け。引け。引け。俺は幸奈から全てを奪う。そして、世界を平和にする。


────手を上げろ!!!


«こちら、日本解放戦線!!!直ちに青葉幸奈を解放せよ!!!繰り返す!!!こちら、日本解放戦線!!!直ちに青葉幸奈を解放せよ!!!»


────何!?JLNだと!?


「なんだ!?」


「オリヴィエ様。こちらにぇ…ぐぁぁぁぁ!!!」


クソッ…


「オリヴィエ!こっちにこい!!」


「お父様!?しかし、幸奈たちがまだ!!」


「後でいい!」


俺はお父様に無理やり手を引かれていた。





────JLNの埼玉襲撃


これが幸奈を殺すチャンス。


しかし、JLNは俺が思っている以上に強かった。


今の戦力では勝ちようがない。なら、


────京都の感情推進委員会


天皇と感情を崇拝している委員会という名の宗教団体だ。


京都軍と政府軍を合併する!!


名をオリヴィエ軍とする!!


俺は少しづつ戦力を集めた。


世界を救うために。


いや、幸奈を殺すために。



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