第4話「未来への託し方」
────お父さん!!!
助けなきゃ!私はもう誰も…
「幸奈様、お下がりください。あとは我々の出番です」
片桐隊長はそう言うと私の目の前に手を出した。
「でも、お父さんが!お父さんが!」
「第1隊は全員で圭吾くんを殺した男を追って!第7隊は圭吾くんを応急処置して保護室へ!」
────今だ!!!撃て!!!
突然お父さんを殺した男はそう叫んだ。
「ハッ…幸奈ちゃんを守って!!!」
────ドンッドンッドンッドンッドンッ
突然、大勢の人が現れた。
銃声があたりを支配する。
第1隊全員死亡。
第7隊15人死亡。
第8隊2人死亡。
他部隊 連絡途絶。
────お父…さん?みんな…私を庇って…
上手く呼吸ができない。
肌の感触…?
手に何か掴んでいるらしい。
そういえば、璃と手を繋いで…
あ…き…?
璃?
これは…璃なの?
私は璃と手を繋いでいた。しかし、肘から先は見あたらなかった。
「私は…大丈夫。私の上に人がいて…下敷きになってるだけ…」
「あぁ、そっか。良かった。今助けるから待ってて!」
人の上から出てきた璃は左腕がなかった。いや、私が持っている。
────これで…大丈夫!
「隊長。ありがとうございます」
とりあえずこれで出血は止まった。しかし…
「敵が多すぎるわねぇ〜」
こちらの戦力は約30人。しかも20人くらいは戦力とはよべない第8隊だ。
対して相手の戦力は約100人。
しかも、囲まれて銃口を突きつけられている。
今は破壊によって生じた煙があり、何もしてこない。しかし、煙が晴れたら殺されるだろう。
────どうすれば…
────ドンッドンッドンッ
まだ、煙は晴れてない。しかし、
銃声が聞こえる…?
────クソッどうなっている!!!
近くで声が聞こえた。
え…?その声…オリヴィエ?
この中にいるの…
「オリヴィエ!!いるなら返事して!!!一緒に話そう!!!」
────クッ
────タッタッタッタッタッ
────第1隊!!!かかれぇぇぇぇ!!!
ドンッ
グハッ
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛
戦闘の音だけ聞こえる。
しかし、オリヴィエの声はもう聞こえない。
────第1隊は青葉隊長の救護を!
死んだフリ作戦と言うらしい。
みんなは防弾服を着ていた。
お父さんは一命を取り留めた。
しかし、本当に死んでしまった人もいる。私を庇った人達だ。全ての銃口は私に向いていた。しかし、全ての銃弾を第7隊の人達が受け止めていた。ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…私はどうしたら…
そして…璃の左腕もなくなっている。璃も私を庇って…
────私はどうすれば良いのだろう。
あの日、埼玉を襲撃した日。
私たちは撤退を余儀なくされた。
今回の争いで20人が死んだ。その中には私を庇って死んだ人もいる。私に未来を託して。
「幸奈。大丈夫だよ。幸奈は幸奈のやるべき事をする。それだけを考えよう?」
「でも、でも、私なんかを庇って死んだ人はどうなるの?もう死んだ人は報われないんだよ?」
「報われるよ。幸奈は託された。それをまっとうしよう。そうすればその人の人生に意味が生まれる。私たちはそうやって生きるしかないよ」
────大丈夫。幸奈には私がいる。
璃はそう言うと私の唇に触れた。
「面白かった!」
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