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第九十五話 前世でのわたし・殿下の気持ち

 わたしは殿下に、


「来世で殿下と結婚して幸せになりたい」


 という思いを伝えた。


 来世が存在しているかどうか、それはわからないところだ。


 しかし、存在していてほしいし、そうでなければわたしは殿下の為に尽くすことはできなくなってしまう。


 殿下はどう思っているのだろうか?


 もしかしたら戸惑っているかもしれない。


 殿下とはこういう話はほとんどしたことはない。


 殿下が、


「来世でもこうして仲良くなり、恋をして、婚約、そして結婚したいですね」


 と言ったのに対し、わたしが、


「そうですね。仲良くしたいとわたしも思います。今世だけではなく、来世でも殿下と婚約し、結婚したいと思っています」


 と応えたぐらいだったと思う。


 しかし、わたしの想いは理解してもらったと思う。


 そうであってほしいと思っていると、殿下は、


「わたしも来世というものがあるかどうかはわかりません、しかし、わたしもその存在を信じたいと思っています。もしかすると、前世や前々世でもわたしたちは結婚していたのかもしれません。前世というものもあることを信じたいです。来世があるとすれば、前世もあるのだと思います。今世では結婚できなかったとしても、来世、いや、来々世でもあなたと結婚したいと思っています。わたしもあなたのことが大好きです。あなたと一緒に生きていくことができればそれだけで幸せです。ただ、あなたには、まだまだ生きてほしいと強く思っています。来世であなたと出会って結婚することができたとしても、それは先のことになってしまいます。わたしは今のあなたと結婚したい……」


 と言ってわたしに応えてくれた。


 殿下の言葉の最後の方は涙声になっていた。


 ありがたいお言葉。


 殿下も来世で結婚したいと思っていてくれている。


 わたしの心が通じてくれた。


 しかも、来世だけではなく来々世でも、とおっしゃっている。


 これほどうれしいことはない。


 ただ、申し訳ないという気持ちも強くなっていった。


 最後におっしゃった、


「わたしは今のあなたと結婚したい……」


 という言葉。


 これは、わたしも同じ気持ちだった。


 それがもう実現できなくなってしまった。


 せめて、後少しだけでも生きることができたら……。


「殿下、今世で結婚できなくて申し訳ありません。わたしも今世で殿下と結婚したかったです。でももう無理ですので、もし殿下がよろしければ、来世で殿下と結婚することを約束したいと思います。これは、わたしの無理なお願いだと思います。でも殿下のことをそれだけ愛しているということはご理解していただけるとありがたいです。殿下がよろしければ、ということでお願いしたいと思います」


 わたしは苦しさの中で、そう言った。


 これはわたしのわがままだと思うし、ここで約束したからといっても、それが実現するかどうかは、全くわからないところだ。


 なんといっても、来世があるかどうかは、わたしたちにはわからないからだ。


 しかし、それでも殿下には自分の想いを伝えておきたかった。


「あなたと来世で結婚することを約束します。わたしは来世でもあなたのことを愛し、結婚します」


 殿下はそう言うと、やさしくわたしの手を握った。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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