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第八十五話 離れていく心 (マイセディナンサイド)

 王室や貴族のものたちは、との婚約について、支持をしていないものも多いように思えた。


 それは、わたしの心を傷つけるものだった。


 しかし、舞踏会で宣言をした以上、そのものたちもやがては認めざるをえないだろう。


 いや、支持してくれるものがどんどん増えた方がいいとは思うが、どちらにしてももう決めたことなので、どうでもいい。


 わたしはそう思い、ルアンチーヌと楽しい生活をすることに、心を切り替えていった。


 それから二週間ほどは楽しい時が続いた。


 わたしが生まれてから一番楽しい時間だったといっていい。


 それは、少なくとも半年は続くと思っていたのだが……。


 母王妃、そして妹。


 少なくともわたしの動きに反対をしていなかったはずの二人。


 それが、急激にルアンチーヌと対立しだしたのだ。


 これは全くの予想外だった。


 わたしとしては、リンデフィーヌよりも二人と性格が合いそうな気がしていた。


 三人ともゴ-ジャスだし、美人で気が強い。


 ルアンチーヌのそういうところが好きになったのだが、逆に二人はルアンチーヌのそういうところが嫌だったのだろう。


 ルアンチーヌはわたしのところに毎日来るようになっていたのだが、その度に二人がやってきて、ケンカをするようになっていった。


 仲良くできないものか、と思うが、どうしょうもない。


 その内、二人は、


「あんなどうしょうもない女性と婚約を続ける必要はありません」


「今すぐ婚約破棄をなさい」


 とまで言うようになってきた。


 王室や貴族たちの間にも、


「婚約者としての器ではない」


 と言い始めているようだ。


 今のところ、ルアンチーヌにはまだ飽きていないわたしは、


「わたしはルアンチーヌを愛しているのです。婚約破棄など、したいとはおもいません」


 と言って、二人の言うことを聞かないでいた。


 しかし、今度は、ルアンチーヌの方が、


「申し訳ありませんが、お義母様と妹様にはうんざりしています。なんでここまでつらい思いをしなければならないのでしょう。今すぐにとは申しませんが、王位につかれたら、二人をこの王宮から遠ざけていただくことはできないのでしょうか? わたしは王妃になる以上、あの人たちと一緒のところにはいたくありません」


 と言い始めた。


 これはルアンチーヌが王妃になっていくことが前提の発言になっている。


 ルアンチーヌのことを依然としていい女性だと思っているが、結婚となると別問題だ。


 わたしは少しずつではあるが、ルアンチーヌと距離を置き始める。


 そんなわたしの心を慰めるものが、贅沢だった。


 国民に重い税を取り立て、豪華な建物の建設や豪華な服装や食事に使う。


 近隣の王国でもこんなに贅沢をしているところはないだろう。


 今まで付き合った女性たちにも、高価な贈り物をしていた。


 リンデフィーヌは気に入らなかったので、贈り物は一切しなかったが、ルアンチーヌには高価な贈り物をしていた。


 誇らしいことだと思っている。


 最近、その国民の方から、税を軽くしてほしい、との願いが届き始めていた。


 重臣たちの中にもそういう意見を言い出し始めるものもいた。


 だが、そんなものたちのことを聞く気は全くなかった。


 国民は王国の為にあるものだ。


 そして、この王国はわたしのものだ。


 国民はわたしの為に存在するのだ。


 そう思っていた。


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