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第八十一話 わたしの待遇

 殿下の話はさらに続く。


「わたしは一生懸命、リンデフィーヌさんが客人として遇していただけるように、お父上とお母上にお願いをしました。お二人には、なかなか承諾していただけませんでしたが、お願いを続けた結果、ようやくあなたを客人として遇することを承諾していただきました。これで、あなたは我々の客人として、正式に遇されることになりました。こうした素敵な方を招くことができました。わたしとしてもうれしいことです」


「それを伺って安心しました。ありがとうございます」


 わたしは心の底からホッとした。


 しかし、そう思ったのはつかの間だった。


 いつまで客人として遇されるのだろうか?


 次に思うのは、そういうことだった


 客人として遇されるのはうれしい。


 しかし、一年も二年もそういう待遇のままでいるとは思えない。


 殿下もそれだけの時間が経てば、わたしに対する関心も薄らいでいく可能性がある。


 今までは、時間がかかっても、殿下との仲を良くしていく努力を重ねていけば、相思相愛になる可能性があると思っていたが、月日が経っていくということは、逆に、仲が疎遠になっていくという可能性もあるということだ。


 わたしに対する関心がなくなっていけば、この王宮から追い出される可能性は強いだろう。


 客人でいる限りは、このことについて、悩むことは多くなりそうな気がする。


 殿下は、どう思っているのだろう。


 そう思っていると、殿下は、


「リンデフィーヌさんに、話をしなければならないことがあります」


 と言って、真剣な表情になった。


「なんでございましょう?」


 わたしは再び緊張し始める。


 話ってなんだろう?


「客人としての待遇が決まったところですので、これは今話すことではないかもしれません。そう思って、今日は話をしないでおこうとも思いました。せっかくあなたも少し安心をしたところだと思いますので、しかし、あなたのこれからについてのことですので、今話をさせていただこうと思います。よろしいでしょうか?」


 わたしも思っていた「これから」の話ということだ。


 これは伺っておく必要がある。


「これからの話ですね。わたしもそれは気になっていたことですので、申し訳ありませんが、お願いしたいと思います」


「それでは話をさせていただきます。お父上は、こう申されました。『客人としての待遇をすることは認めることにする。しかし、お前はいつまでその人を客人としておこうと思っているのだ。客人として遇すことができるのはぜいぜい一か月ほどだ。その期間が終わったら、この王宮から去ってもらわなくてはならない。お前は、その人に同情しているようだが、それとこれとは分けなければならないとわたしは思っている。お前は、その人を、これからどう扱いたいと思っているのだ? それを聞かせてほしいところだ』とおっしゃりました」


 国王陛下の立場としては、そう言うのは当然だろうと思う。


 思うのだけど……。


 厳しい言葉だと思う。


 殿下は、どう返答したのだろう。


 客人としての扱いのまま、王宮に滞在してもらうと言ったのだろうか?


 それとも、一か月の期限がきたらこの王宮を去ってもらわなくてはならないという意見に賛成したのだろうか?


 賛成はしてほしくないところだけど……。


 わたしは殿下の次の言葉を待った。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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