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第七十七話 勇気づける言葉 (マイセディナンサイド)

 わたしに抵抗を続けるリンデフィーヌ。


 それに対し、わたしは、大きな打撃を与えると思われる行動に出ることにした。


 少し恥ずかしい気持ちもあるが、そんなことは言っていられないだろう。


 いくらなんでも、ここまですれば、リンデフィーヌもあきらめるだろう。


 わたしは、ルアンチーヌの手を握る。


 そして、ルアンチーヌを抱きしめる態勢に入る。


「殿下、それは、それだけは……」


 リンデフィーヌはわたしを止めようとした。


 しかし、止めるわけがない。


 このまま進むだけだ。


 わたしとルアンチーヌは抱きしめ合った。


「殿下、好きです」


「わたしもお前のことが好きだ」


 そして、わたしたちはさらにその先へと進んでいくのだった。


「殿下……」


「ルアンチーヌ……」


 唇と唇を重ね合っていくわたしたち。


 やはり、わたしはルアンチーヌともっと遊んでいきたいと思う。


 わたしたちの睦まじい姿。


 その姿は、さすがのリンデフィーヌにも大きな打撃を与えたようだった。


 リンデフィーヌは、


「婚約がなかったことになろうと、婚約を破棄されようと、殿下に受け入れられなかったことには変わりはありません。それが悲しいのです。これでも殿下にふさわしい女性になろうと一生懸命努力してきましたのに」


 と涙声になりながら言った。


 涙を流すほど悲しんでいる。


 ふさわしい女性になろうと努力しようがしまいが、好意を持っていないのだから、どうにもならないことだと思う。


 すると、ルアンチーヌがリンデフィーヌに対し、


「あなたにはわたしと違って魅力はない」


「その魅力のないあなたを今まで我慢した殿下の方がかわいそう」


 と言った後、


「とにかくあなたは、もう殿下のそばにいてはいけない人間です。いや、殿下のそばだけではない。わがブルトソルボン公爵家にいてもいけない人間だと思います。お母様もそう思うでしょう?」


 と言った。


 リンデフィーヌの継母は、ここで、


「ルアンチーヌの言う通り、ブルトソルボン公爵家にいてもいけない人間だと思います」


 と言ってくれている。


 わたしにとっていい援護だ。


 ただ、それでも、公爵家追放ということになると、最初に計画していたことではあるが、さすがに躊躇する。


 ここまで打撃を与えたのだからいいのでは、という気持ちもないわけではない。


 わたしにここで従えば、公爵家には、そのまま居させてあげようと思う気持ちもあった。


 しかし、それでもリンデフィーヌは抵抗を続ける。


「殿下、何度も申し訳ありません。しかし、わたしは殿下の婚約者でいたいという気持ちは全く変わりません。この気持ち、どうかわかってください。お願いいたします」


 リンデフィーヌは頭を深々と下げた。


 わたしの攻撃を何度受けても、反撃を続けてくる。


 特に今の、


「わたしは殿下の婚約者でいたいという気持ちは全く変わりません」


 という言葉。


 どうしても心が動かされるところはある。


 再び婚約破棄の延期をしようかどうか、ということを検討し始めていた時、


「殿下、このものの言うことを聞いてはなりません!」


 とルアンチーヌが強く言った。


 そして、ルアンチーヌは続けて、


「殿下、もう婚約破棄のことは決まったのです。殿下にはわたしという婚約者がいます。このようなものの言うことは、一切聞くことはなりません」


 と言った後、リンデフィーヌの継母も、


「ルアンチーヌの言う通りです。我が娘ながら、殿下に対して失礼なことしか言わないので、恥ずかしくてしょうがありません。もう聞かなくて結構です」


 と言った。


 これはわたしを力づける言葉だった。


 わたしは、


「二人の言う通りだ。わたしがどうかしていた」


 と言うと、厳しい表情になった。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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