第七十六話 想像以上の抵抗 (マイセディナンサイド)
わたしからすると、長い時間がかかってしまったが、これでリンデフィーヌに婚約を破棄することを伝えることができた。
もうこれで、リンデフィーヌも抵抗する気をなくしただろうと思っていた。
しかし……。
リンデフィーヌは想像以上に手強かった。
「殿下、どうか婚約破棄ということは、どうかおっしゃらないでください。わたしは婚約者、そしてお妃として、殿下のお役に立てると信じています」
と言って、わたしに再び抵抗を始めてきた。
せっかくうまくいったと思ったのに……。
わたしもすぐさま反撃する。
「リンデフィーヌのことはもともと好きではなかった」
「婚約などしたくはなかった」
そのことを伝え、今まで我慢をしてきたことも伝えた。
そして、
「わたしはルアンチーヌに一目惚れした。お前と違ってゴージャスな女性だ。好みだった。もうそれからはルアンチーヌのことしか想うことができなくなった。そして、絶対に婚約しようと心に決めたのだ」
と言って、もうルアンチーヌのことしか頭にはないことを伝えた。
わたしの反撃により、リンデフィーヌは結構打撃を受けたように思える。
しかし、それでもリンデフィーヌは抵抗し続ける。
どうしてここまで抵抗するのだろう。
わたしはリンデフィーヌのことを好きではない、と言っているのに。
ルアンチーヌのことしか想うことができなくなった、と言っているのに。
全く理解できないことだ。
こちらも疲れがたまってきた。
もううんざりだ。
リンデフィーヌの方も疲れてきているはずだ。
いい加減もうあきらめてほしい。
わたしは、今すぐにでもルアンチーヌと遊びたいのだ!
そう思っていたのだが、リンデフィーヌは抵抗を続け、
「わたしは殿下との婚約を続けたいと思い続けています、一度は婚約をした殿下とわたしです。偶然に婚約をした仲だとは思えません。殿下とわたしは縁があると信じています。今はまだ仲が進んでいきません。それどころか、殿下に婚約を破棄されようとしています。しかし、婚約を続けていけば、きっとお互いに理解が進み、仲良くなっていけると信じています。どうか、婚約を続けていただくようお願いします」
と言った。
さすがにわたしも、その言葉に心を動かされそうになった。
リンデフィーヌは、
「偶然に婚約をした仲だとは思えません。殿下とわたしは縁があると信じています」
と言い、そして、
「婚約を続けていけば、きっとお互いに理解が進み、仲良くなっていけると信じています」
と言っている。
今までは、そうしたことは思ってこなかった。
好意のないところから出発していたので、いつ別れようかということしか頭になかったといっていい。
縁があるということは思ってもみなかったし、お互いのことを理解しようということも全く思ったことはなかった。
婚約破棄を少し延期するべきだろうか?
一瞬だけそういう思いが心に浮かんだ。
しかし、わたしの心は、それ以上にルアンチーヌのことが占めていた。
わたしはルアンチーヌのことが好きなのだ。
今はルアンチーヌと婚約する為に動く!
すぐに心を切り変えることにした。
今までの攻撃で、相当な打撃を受けているはずなのだが、まだ抵抗力が残っている。
ここまで抵抗するとは。
芯が強い女性だとは思っていたが、想像を越えすぎている。
しかし、その対応策についても検討をしていた。
わたしは、これならば抵抗する力をなくすだろうと思う攻撃をすることにした。
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