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第七十四話 唇を重ね合うわたしたち (マイセディナンサイド)

 舞踏会の前日。


 この日、わたしはリンデフィーヌに婚約を破棄することを伝える。


 ここまでが長かった。


 やっと、解放される時がきた。


 これからは、楽しい時間が待っている。


 わたしは、リンデフィーヌが来る前に、リンデフィーヌの継母とルアンチーヌを呼んでいた。


 今日と明日の打ち合わせをして、リンデフィーヌのが来るのに備える。


 後はリンデフィーヌが来て、婚約の破棄を伝えるだけだ。


「ルアンチーヌよ、好きだ」


「殿下、わたしも好きです」


 リンデフィーヌが来る前、わたしはルアンチーヌを抱きしめ、唇を重ね合った。


 それから少し経った時。


「殿下、リンデフィーヌです。部屋に入ってよろしいでしょうか?」


 リンデフィーヌの声がする。


「どうぞ」


 わたしはそう返事をした。


「失礼します」


 いつものようにドアを開け、部屋に入ってくるリンデフィーヌ。


 本人は、いつもと同じ時をすごすと思っているかもしれない。


 しかし、今日は違う。


 これからは、今までにない経験をすることになる。


 まず驚いたと思うのは、継母とルアンチーヌがこの部屋にいたことだろう。


 わたしの親族になっていく人間なのだから、訪問自体はすると思っていると思う。


 しかし、わたしと二人きりで会おうとしているのにその部屋にいるというのは、驚くしかないだろう。


 しかも、ルアンチーヌとこの二人は仲が良くないと聞いていた。


 それは、二人から以前、直接話も聞いていることだ。


 とはいうものの、それは二人の一方的な話のようにも思える。


 二人の方が一方的にリンデフィーヌのことを嫌っていて、リンデフィーヌの方は二人と仲良くしようとしていたという話も別に聞いている。


 まあわたしにとっては、そんなことはどうでもいい。


 わたしは遊ぶことができればいいのだ。


 ただリンデフィーヌと二人の仲が良くなければ、リンデフィーヌと婚約破棄した後、公爵家からの追放はしやすくなるので、好都合だろう。


 リンデフィーヌと二人の言い争いがしばらく続いた。


「ルアンチーヌの方が殿下の婚約者にふさわしい」


「わたしの方が殿下の婚約者にふさわしい」


 という二人に対して、応戦するリンデフィーヌ。


 リンデフィーヌはだんだん腹を立ててきているようだ。


「これはもう既に決まっていることです。なぜ殿下のいるこの場で言う必要があるのでしょうか? 言ったところで婚約者がお姉様になるわけではないのに」


 と言った。


 わたしは、それまで三人の話を黙って聞いていた。


 そろそろだな。


 そう思ったわたしは、


「言う必要があるから言っているのだ。必要もないのに、わざわざここまで来ていただくことはないということくらい、お前にもわかるだろう」


 と冷たく言って、会話に参加し始めた。


 そして、


「お前は、ゴージャスでなく、魅力がない。したがって、わたしの婚約者としてふさわしくない。わたしの言いたいことを二人は言ってくれたのだ」


 とリンデフィーヌに厳しい表情で言った。


「婚約者としてふさわしくない」


 この言葉をわたしから言われたことで、リンデフィーヌは、心に打撃を受け、ますます腹を立てているようだ。


 リンデフィーヌは、今まで怒ったことがなかった。


 そういう人ではあっても、こうした場合は、腹を立てる可能性はあると思ってはいた。


 しかし、いつも笑顔でわたしや人々に接しているので、その可能性は高くないと思っていた。


 腹を立てていなければ、婚約破棄のこともすんなり受け入れるだろうと思っていた。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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