表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

69/137

第六十九話 婚約破棄の決意 (マイセディナンサイド)

 継母は威儀を正した後、


「殿下、どうかお願いでございます。ルアンチーヌを婚約者としてお迎えください。よろしくお願いします」


 と言って頭を下げる。


「お願いします」


 ルアンチーヌもそう言って頭を下げた。


 ルアンチーヌと婚約するべきか、それともしないべきか?


 大きな人生の岐路がやってきた。


 できれば婚約はしたくない。


 リンデフィーヌとの婚約を破棄して、ルアンチーヌと婚約したのでは、あまり意味がないように思える。


 婚約の状態が続くことに、何の変化もないからだ。


 もちろんルアンチーヌの容姿は、わたしの好みで、遊び相手としてなら多分申し分がないように思う。


 しかし、二人の目的は、わたしと婚約をすることだ。


 それ以外の話は受け入れないと思う。


 どちらかが譲らなければ、いずれルアンチーヌのことはあきらめるしかなくなってしまうだろう。


 こちらの方も、婚約はしたくないので、仕方がないとは思う。


 しかし、せっかくここに好みの女性が現れたのだ。


 惜しい気持ちはどうしてもある。


 わたしはしばらくの間、悩んだ。


 継母とルアンチーヌはその間も、


「ルアンチーヌを婚約者にお願いします」


「殿下、よろしくお願いします」


 と頭を下げ続ける。


 ルアンチーヌの一生懸命懇願する姿。


 わたしの為ではなく、自分の為ではあろうが、それでも心は動かされるものがあった。


 リンデフィーヌと婚約を続けるよりはましだと思った。


 リンデフィーヌと婚約破棄をする為には、もともと「気に入らない」というだけではだめで、新しい婚約者を用意する必要があった。


 その婚約者としてルアンチーヌは、家柄は申し分ない。


 何よりも、わたしの好みの女性だ。


 リンデフィーヌとの婚約破棄をまずしなければ、話は進まない。


 とにかく婚約を破棄した後、ルアンチーヌと婚約をする。


 飽きたら婚約を破棄して、また新しい女性を探せばいいだろう。


 そう思ったわたしは、


「あなたたちのお願いを受け入れることにしよう。ルアンチーヌよ。わたしはあなたと婚約することにする」


 と言った。


「殿下、今、何とおっしゃったのでしょうか?」


 ルアンチーヌが聞いてくる。


「わたしはあなたと婚約すると申したのだ」


 二人は、わたしのその言葉を聞くと、あっという間に満面の笑みになった。


「ありがとうございます。殿下。これでわたしの面目も立ちます」


「ありがとうございます。殿下、これからよろしくお願いしたいと思います」


 喜び合う二人。


 喜んでもらうこと自体はいいと思う。


 しかし、わたし自身はそれほど喜ぶ気持ちにはなれなかった。


 むしろ少し冷めた気持ちだった。


 これからリンデフィーヌとの婚約を破棄し、ルアンチーヌと婚約をしなけれならない。


 面倒なことは嫌いなので、気分はいいとは決していえない。


 婚約したくなかったという気持ちは、どうしてもある。


 遊び相手であれば、今頃はいい気分になっていただろうに……。


 そう思うのだったが、どうにもならない。


 もうあれこれ悩んでもしょうがない。


 まずは今日これからルアンチーヌとの逢瀬を楽しもうと思う。


 きっと、わたしを満足させてくれるはずだ。


 これからの計画は、その後、立てていけばいい。


 少し二人と話をした後、わたしは。


「ルアンチーヌよ。この後、時間はあるだろうか? わたしとしては、もっとあなたと仲良くなりたいと思っている。わたしの部屋に来てほしい」


 と少し恥ずかしがりながら言った。


 これからわたしたちは二人だけの世界に入り、仲良くなっていく。


 それに対し、ルアンチーヌも恥ずかしそうに、


「殿下のおっしゃる通りにいたします。よろしくお願いします」


 と言った。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


と思っていただきましたら、


下にあります☆☆☆☆☆から、作品への応援をお願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に思っていただいた気持ちで、もちろん大丈夫です。


ブックマークもいただけるとうれしいです。


よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ