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第六十五話 ずっと遊んでいたいわたし (マイセディナンサイド)

 父国王はわたしが最初に婚約者候補から外そうとした女性を婚約者にしようとしている。


「公爵家には二人、婚約者候補になる女性がいると聞いていた。その内の一人であるリンデフィーヌは、才色兼備で思いやりのあるやさしい女性だという話をわたしは聞いていた。公爵家でも当主の補佐をして、領地経営に貢献をしているという。こういう女性がお前のお妃になれば、この王国ももっと豊かになるだろうと思ったし、お前の為にもなると思ったのだ。そこで。父親の公爵家当主を呼んで話をした。リンデフィーヌに婚約者候補として舞踏会に来るようにお願いをしたのだ。父親は、『わたしの娘でよろしいでしょうか?』と言っていたが、必ず参加するようにと命じた。もちろん舞踏会には、他の候補者が来るので、リンデフィーヌより優れた女性がいるのならば、その女性を婚約者に選ぶべきだと思っていたが、話を聞く限りではリンデフィーヌ以上の評判のいい女性はいなかった。そして、わたしは、舞踏会で婚約者候補一人一人と会った。どの女性も婚約者候補になるだけあって、それなりに輝くものがあるように思った。しかし、その中でも、ゴージャスさこそないものの、いぶし銀のような輝きを持つ女性がいた。それがリンデフィーヌだったのだ。わたしが聞いていた通りの女性だった。この人ならお前と一緒にこの王国を発展させることができると思ったし、お前を幸せにできると思ったのだ。それでもお前が他の女性を選ぶというのなら、その意見に従っただろう。でもお前は、遊ぶことしか頭になく、婚約者を選ぼうという気が全くない。だから、今日ここで決めた。お前の婚約者はリンデフィーヌだ!」


 父国王は高齢で、昔と違い、話し方も柔らかくなることが多くなっていた。


 先程も口調が少し柔らかくなったと思っていたが、また強い怒りの口調で話をしてくる。


 わたしはもともと父国王が苦手だが、こういう時は特に苦手になる。


 言い返したいところだが、言い返すと、それ以上の反撃をされてしまうだろう。


 そう思っていると、父国王は、


「絶対お前にとって大切な人になるから、婚約しなさい」


 と先程より少し柔らかめに言ってきた。


 これは、より強い怒りを爆発させる寸前まできているということだろう。


 もうこれ以上話は聞いていられない。


 わたしは父国王に従うことにした。


 仕方がないと思う。


 今は素直に従っておいて、適当な時期がきたら、


「婚約者として付き合ってきましたが、気が合いません。気の合わない人と結婚まで進んでしまうと、常に離婚の危機が生じます。それはこの王国、そして、王室にとって損だと思います。申し訳ありませんが、婚約を破棄させてください」


 とお願いをする。


 そうすれば、父国王も、


「お前もよく今まで我慢した。気の合わない女性とこのまま婚約をしても、お前の言う通り、この王国と王室の損だ。婚約を破棄しなさい」


 と言ってくれるだろう。


 それを期待していく。


 口惜しくてたまらない。


 ゴージャスでない女性と婚約をしなければならなくなったのだ。


 ああ、わたしはもっと遊びたい。


 ずっと遊んでいたい。


 婚約などしたくない。


 でも今は我慢するしかない。


「お父上のおっしゃる通りにいたします。よろしくお願いします」


 わたしがそう言うと、父国王は、今までの厳しい表情を一変させた。


 そして、


「それはとてもいいことだ。よく決めてくれた。お前の婚約者が決まって、わたしはとてもうれしい」


 と言って、満面の笑みを浮かべた。


「面白い」


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