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第六十三話 婚約者候補 (マイセディナンサイド)

 今日、招かれていた候補者は、全般的にゴージャスさが足りないと言えるが、特に足りない人が一人いる。


 もう今日の時点で、その一人については、断ってしまおうとも思った。


 しかし、一人だけ断るというのも、父国王の怒りに触れる可能性がある。


 そこで、わたしは父国王に、


「今日、ここに来ていただきました方々は、みな素敵な方々です。今日すぐにこの中から選ぶことはできません、申し訳ありませんが、父上のおっしゃっていた一か月の時間をいただきたいと思っています」


 というお願いをした。


 もちろん、この中から選ぶつもりはなかった。


 父国王は、


「お前がそういうのなら、一か月待つことにしたいと思う。お前が選ぶ人を楽しみにしている。よろしくお願いする」


 と渋々ながら言った。


 できれば今日決めてほしかった様子だった。


 失望の表情を浮かべている。


 とにかくこれで、一か月の時間ができた。


 この婚約者の中から、多少は好みな方である二人ほどと適当に付き合い、一か月が経った時点で、


「おっしゃる通り、付き合いましたが、気が合いませんでした。婚約者にするには、気が合うことが大切だと思いますので、気が合わない以上、無理だと思います」


 と言って断るつもりだった。


 それを繰り返していけば、当分の間は、婚約者を作らなくても大丈夫ではないかと思っていた。


 その間に、また遊び相手を探していくつもりだった。


 しかし、そううまくはいかなかった。


 わたしは、婚約者候補の中の二人を別々に何度か王宮に呼んだ。


 わたしもこの二人には、わたしの好みの要素は、多少はありそうだったので、少しではあるが期待していた。


 王宮で二人それぞれとお茶をして、おしゃべりもした。


 でも結局期待外れだった。


 まあ、これで父国王には、断ることができると思った。


 とにかく付き合った結果でのことだから、納得してもらえるだろう。


 そう思っていたのだが……。


 期限の一か月になった時に、わたしは両親に呼び出された。


 わたしは、予定通り、


「この候補の中で、タイプが合いそうな女性と付き合いました。わたしもその方々が、婚約者としてふさわしいのではないかと思っていたのですが、『わたしの気の合う女性』という一番大切なところが成立しませんでした。気が合わない女性と婚約、結婚したとしても、仲はうまくいかないと思います。申し訳ありませんが、今回は、断らせていただきたいと思います」


 と言った。


 怒られるとは思っていた。


 しかし、付き合ったことは付き合った。


 両親との約束は果たしたのだから、それはどこだわることはないだろうと思っていた。


 しかし……。


「どうせそんなことだろうと思っていた。お前は、遊ぶことを優先しようと思っていて、真剣に婚約者を選ぼうという気はなかったのだろう」


 父国王は苦笑いをしながら言った。


「そんなことはございません」


 わたしはなるべく冷静さを保とうとした。


「では今ここで決めるのだ」


「ここででしょうか?」


「お前の様子では、いつまで経っても遊んでばかりいて、婚約、結婚の方へ心が向いてくれそうもない。だから今ここで決めてもらうのだ」


 父国王は、今までにない、厳しい口調で言った。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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