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第六十話 たくさん贅沢をしたいわたし (マイセディナンサイド)

 わたしの名はマイセディナン。ブリュノレンス王国の王太子。


 わたしは、求めるものすべてを自分のものにしたいと思っている。


 そして、たくさん贅沢をしたいと思っている。


 そうしなければ生きる意味などないと思っている。


 ブリュノレンス王国は、この地域でも一二を争う大国。


 わたしはその王都で生まれ、一人息子だったので、必然的に後継者として育てられた。


 大国の後継者なのだから、求めるものを全部自分のものにしたいと思うのは当然だし、贅沢をしたいと思うのも当然だと思う。


 そうしなければならない義務があると思っている。


 その為に国民がどう苦しもうが、それは知ったことではない。


 国民は、わたしに奉仕すべき存在なのだ。


 それには権力を得ることが必要だと思う。


 王位についてからでは遅い。


 その前から権力がほしい。


 幼い頃からそう思ったわたしは、まず権力の移譲を少しずつ父国王からしてもらおうと思った。


 思春期になる頃には、求めるものを自分のものにしたいという気持ちがますます強くなり、多少の贅沢では満足できなくなっていたわたしは、ますます権力がほしくなった。


 どんどん権力を移譲してもらって、自分の気持ちを満足させ、より大きな贅沢ができるようにしたいと思っていたのだ。


 父国王は高齢になっていたこともあって、わたしの要請に応じて少しずつ権限を委譲し始めた。


 今ではかなりの部分が移譲されている。


 これで、王国のことはかなりのことが動かせるようになっていた。


 満足はしてきているが、わたしは求めるものは自分のものにしたいと思う人間だ。


 まだまだ足りないと言えるだろう。


 贅沢についても、できてきているとはいうものの、まだ父国王の意志があるので、思い通りにはできていない。


 贅沢し放題のところまでいきたいと思っている。


 そして、思春期になってからは、女性に興味を持つようになった。


 わたしは王太子だし、ハンサムなので、貴族の女性たちが次々にわたしにアプローチをしてくる。


 舞踏会での出会いが多かったが、執務室で紹介をされることもあった。


 わたしは、その女性たちの中の一人と付き合うようになった。


 最初は、普通にお茶をするぐらいだったが、次第に仲が良くなっていった。


 わたしはそれまで女性と付き合ったことがなかったので、その女性のことがいいと思ったのだろう、


 仲良くなってくると、二人だけの世界にも入るようになっていった。


 このまま仲の良さが続くと思っていた。


 しかし……。


 長くは続かなかった。


 わたしとは、結局のところ合わなかった。


 二か月ほどで飽きてしまったので、その女性とは別れることにした。


「こんなに殿下に尽くしてきましたのに……。殿下と別れたくありません。捨てないでください!」


 その女性は別れる時、涙を流していた。


 その涙で少し心が動いたが、すぐに思い直した。


 わたしを満足させられないから、別れなければならないのだ!


 そして、なんといってもゴージャスではない。


 今まで我慢をしていたが、なんで、こんな女性に時間を使ってしまったのだ! 時間を返してほしい!


 腹立たしささえ覚えるものだった。


 それからすぐに別の女性と仲良くなった。


 最初の女性よりはいいと思った。


 二人だけの世界にも入っていった。


 しかし、この女性にも飽きて、別れることにした。


 その女性も、


「これほど殿下のことを愛していますのに……。わたしを捨てないでください!」


 と涙を流していた。


 この時も、心が少し動いたが、最初の時と同じく、すぐに思い直した。


 最初の女性よりはましだが、ゴージャスさが足りない!


 またしても無駄な時間を使ってしまった!


 腹立たしさがます一方だった。


「面白い」


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