表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/137

第五十三話 舞踏会の前日 (異母姉サイド)

 殿下は決断した。


 舞踏会の前日。


 この日、リンデフィーヌに対し、婚約破棄のことを伝える。


 そして、舞踏会には出席させず、公爵家からも追放させる。


 そうすることによって、復活の芽をつむ。


 殿下は、わたしと継母を執務室に呼び、そういう内容のことを話した後、


「ルアンチーヌよ。わたしはあなたを次の舞踏会で婚約者として紹介することにした」


 と言った。


 それを聞いて、わたしはようやくここまで来たと思った。


 長い道のりだったと思う。。


 それにしても殿下は、リンデフィーヌを公爵家から追放することまで計画をしていた。


 わたしも継母も、リンデフィーヌの婚約が破棄されれば、公爵家を追放したいと思ってはいた。


 しかし、リンデフィーヌは公爵家内での評判も高く、わたしたちの力では難しいとも思っていた。


 それが殿下の権力で行われるのであれば、こちらとしてもうれしい話だ。


「殿下、ありがとうございます。うれしいです」


「わたしからもお礼を申し上げます」


 と言ってわたしたちは喜んだ。


 それから殿下とわたしたちは、作戦の詳細を練り上げていった。




 そして迎えた舞踏会の前日。


 殿下とわたしたちは、今日と明日の打ち合わせをして、リンデフィーヌが来るのに備えていた。


「ルアンチーヌよ、好きだ」


「殿下、わたしも好きです」


 リンデフィーヌが来る前、殿下はわたしを抱きしめ、唇を重ね合った。


 殿下はすっかりわたしの虜になったと思う。


 それから少し経った後、リンデフィーヌがこの部屋に入ってきた。


 リンデフィーヌがあいさつをすると、そこには殿下だけでなく、わたしたちがいた。


 さぞ驚いたことだろう。


 殿下といつも二人きりで会っているはずなのだから。


 まあ二人きりとは言っても、しょせんはわたしのように愛されてはいないので、ただ会っているだけだ。


 今となっては、憐みさえ覚えてくる。


 しかし、リンデフィーヌの抵抗は予想以上に激しかった。


 わたしと継母は、


「ルアンチーヌの方が殿下の婚約者にふさわしい」


「わたしの方が殿下の婚約者にふさわしい」


 と言うのだが、


「これはもう既に決まっていることです。なぜ殿下のいるこの場で言う必要があるのでしょうか? 言ったところで婚約者がお姉さまになるわけではないのに」


 と言って、リンデフィーヌは応戦する。


 腹も立ててきているようだ。


 手強いと思っていると、殿下が会話に参加し始める。


「言う必要があるから言っているのだ。必要もないのに、わざわざここまで来ていただくことはないということくらい、お前にもわかるだろう」


 と言った後、厳しい表情で、


「お前は、ゴージャスでなく、魅力がない。したがって、わたしの婚約者としてふさわしくない。わたしの言いたいことを二人は言ってくれたのだ」


 と言う。


「婚約者としてふさわしくない」


 という言葉。


 この言葉は、リンデフィーヌの心に打撃を与えるものだった。


 腹もますます立ててきているように思える。


 普段怒ったことはなく、それも評判を高いものにしていたリンデフィーヌ。


 わたしにとっては腹立たしいことだった。


 そういうリンデフィーヌが怒っている。


 まあわたしが同じ立場であれば、泣き叫ぶところまで行くかもしれない。


 まだ抑えている方だと思う。


 そういうところが、また腹の立つところだ。


 殿下やわたしの攻撃に対し、応戦し続けるリンデフィーヌ。


 しかし、いくら応戦しても、殿下の力は絶対だ。


 殿下はついに、


「わたしはお前のことが嫌いだ。わたしマイセディナンは、リンデフィーヌとの婚約を破棄する」


 と言った。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


と思っていただきましたら、


下にあります☆☆☆☆☆から、作品への応援をお願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に思っていただいた気持ちで、もちろん大丈夫です。


ブックマークもいただけるとうれしいです。


よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ