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第二十二話 一生懸命努力するわたし

 わたしは、王室の人々にも、やさしく接するように心がけていた。


 あいさつをする時は深々と頭を下げ、笑顔を忘れないようにした。


 細かいところまで気をつかうようにしていた。


 とはいうものの、王室の人々の多くは心をなかなか開いてくれなかった。


 最初は、国王陛下以外、好意を持っていた人はいなかったように思う。


 王妃殿下も、殿下の妹様も好意を持ってくれていなかった。


 こちらから話しかけても、無視する人が多かった。


 それだけでなく、あいさつですら無視をする人もいた。


 その理由は、初めはよくわかっていなかった。


 わたしの王室に溶け込む努力が足りないからではないか、と思ったので、より一層努力をした。


 その結果、少しずつ、わたしに笑顔を向けでくれる人も出てきていた。


 しかし、以前として大多数の方々は冷たかった。


 わたしは次第にその理由がわかってきた。


 王妃殿下と、殿下の妹様が、別の婚約者候補を推していたが、それが通らなかったので、ずっと不満に思っていたとのこと。


 相手を決めた国王陛下にその不満をぶつけるわけにはいかないので、わたしにその矛先が向いたのだと思う。


 二人は、王室の方々に、わたしのことを無視するように言っていたようだ。


 イジメだと言っていい。


 そうすれば、いずれ心を痛め、婚約者としているのが嫌になってしまうだろう。


 その状態になれば、殿下も婚約を破棄したいと思うに違いない。


 そして、婚約を破棄し、自分たちの意中の人を婚約者にする。


 二人は、そう思っていたということらしい。


 王室の人々も、わたしが婚約者であることを心よく思わない人が多くて、二人の意見に賛成したそうだ。


 こういう時、殿下と相思相愛、もしくは仲がある程度良くなっていれば、それほど気にすることではなかったし、殿下も一緒に立ち向かってくれていただろう。


 しかし、殿下との仲は、以前として進まない。


 殿下と一緒に立ち向かうことなど、夢の話でしかなかった。


 わたしはこの状況に苦しみ始めていた。


 さらに状況が苦しくなったのは、お父様の病状が悪化したことだった。


 この一二年、体調は決して良くなかったが、なんとか持たせてきた。


 このままずっと生きてほしいと思っていた。


 わたしはお父様の看病をしたが、その甲斐もなく、もう長く持ちそうもなかった。


 意識がない時が多くなり始め、ますます苦しい気持ちになってきた。


 しかし、小康状態が訪れた。


 お父様は、継母、異母姉、わたしに個別で話をしたいと言う。


 侍医は、それを許可した。


 まず継母、その次に異母姉、そしてわたしの順番で話をすることになった。


 それぞれお父様と二人きりの話となる。


 わたしは一旦自分の部屋に戻り、順番を待った。


 小康状態になったとはいうものの、これがいつまで続くかどうかはわからない。


 これがもしかすると最後の会話になるかもしれない。


 そう思うと、涙が出てくる。


 お父様の言うことをいつも以上にしっかり聞かなければならないと思っていた。


 そして、わたしの番がきて、お父様のところへ向かった。


 お父様は、ベッドに横たわり、やさしい表情をわたしに向ける。


「リンデフィーヌよ。申し訳ない。看病で疲れているだろう」


「大丈夫です。お父様が回復されるまでは、ずっと付き添いたいと思っています」


「ありがとう。でももう無理そうだ。もって後一週間ほどだと思う」


「そんなことをおっしゃられないでください。きっと回復されると信じています。わたしはお父様に長生きをしていただきたいのです」


「うれしいことを言ってくれる。やさしい子だ。そのお前のやさしさが殿下にも王室の方々にも伝わるといいと思っている」


「お父様……」


 わたしにお父様のやさしい気持ちが伝わってくる。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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