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第十七話 婚約者候補

 継母は異母姉を殿下の婚約者にしたかったし、異母姉もその気だった。


 しかし、お父様は、公爵家としては、異母姉ではなくてわたしを婚約者候補にしたい、と王室にお願いをした。


 抗議をする二人に対して、お父様は、


「王妃殿下というものは、国王陛下、そして王国の人々に尽くす存在。その能力は、リンデフィーヌの方がルアンチーヌよりもあるので、リンデフィーヌを我が公爵家の候補にしていただくようにお願いをしたのだ」


 と言った。


 二人は、それでもなかなかあきらめなかったが、結局はお父様の意見が通った。


 こうしてわたしはこの公爵家の中で、殿下の婚約者候補となった。


 わたしとしては複雑な気分だった。


 王国にいる女性であれば、誰でもあこがれる王妃の座。


 わたしも幼い頃はあこがれていた。


 華やかな王室の生活。


 もちろん、それもあこがれる要素の一つだった。


 しかし、それよりも、継母から冷たい仕打ちを受けていたわたしは、殿下のやさしさに包まれて愛のある生活をして行きたいという気持ちの方が強かった。


 それは、殿下はきっと素敵な人なのだろう、という夢想によるところが大きかったと言っていい。


 しかし……。


 思春期になって、殿下についてのいろいろな噂が耳に入るようになってきた。


 決していい噂ではない。


 豪華なものが人一倍好きで、金づかいが荒い。


 自分の意に沿わないことは、聞く耳を持たない。


 わがままを言うことが多く、周囲がそれで困ってもそれを押し通す。


 これだけではない。


 まだまだあるが、一番気になるのは、女性との関係だった。


 ハンサムで聞えた殿下は、女性の人気が高い。


 お付き合いをしたいと思う女性は増えてきていた。


 殿下は、そういう女性を次々に受け入れていった。


 一度に複数の女性と付き合った時もあったとのこと。


 その人数は、少なくとも十人以上だという噂。


 その人たちを大切にしているのであればまだいいと思う。


 しかし、ほとんどの女性は数か月ほどで捨てられてしまっていた。


 中には、一日で捨てられてしまった女性もいるそうだ。


 酷い話だと思う。


 しかし、そういう噂があっても、殿下と付き合いたいと思う女性が少なくなることはなかった。


 わたしは、殿下についての噂、特に女性関係の噂を聞く度に、嫌な気持ちになった。


 いくらハンサムな人だとしても、女性のことを大切にしないのでは、好意を持つことはできない。


 こうして、殿下へのあこがれは、年を重ねていくとともに低下をしていった。


 そして、殿下と結婚するという夢もなくなっていった。


 そういう時に持ち上がってきたのが、この婚約の話。


 わたしはこの頃には、殿下と婚約をして、結婚をしたいと思う気持ちは、ほとんどなくなっていたので、公爵家の婚約者候補は、異母姉でいいと思っていた。


 そういう気持ちだったので、お父様がわたしを公爵家の中の候補に決めた時は、困惑した。


 お父様には、


「わたしには自信がありません。姉上の方がわたしよりも殿下の婚約者にふさわしいと思います」


 と言ったのだが、お父様は、


「そんなことでどうする。お前こそ殿下の婚約者にふさわしいのだ。殿下をお支えし、この王国を豊かにすることができるのはお前しかいないのだ」


 と言って譲らない。


 結局、わたしはお父様の言うことに従い、婚約者候補になった。


「面白い」


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