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第十六話 わたしを嫌う継母と異母姉

 お父様は、継母とわたしがいる前で、継母とわたしの間について話をすることがあったが、その中で、わたしに、継母のことを大切にしてほしい、と言っていた。


 お父様は、わたしがいつも継母に気をつかっているのは理解をしているが、継母の前なので言わなければならなかったのだと思う。


 その気持ちは理解していた。


 しかし、継母の方にも、しっかりと自分の愛情を伝えた後、わたしを大切にしてほしいという話をしていた。


 この言葉を言ってもらえるのはありがたいことだと思う。


 わたしとしては、お父様がこうして継母に対する愛情をきちんと伝えているのだから、お父様がわたしのお母様のことを思い出して懐かしがったとしても、それに対して怒ったりはせず、お父様やわたしをやさしく包んでいけばいいのに、と思う。


 でも継母には、お父様の言葉は通らない。


 言われた時は、納得した様子になる。


 しかし、お父様がその場所からいなくなった瞬間から、また冷たい人に戻る。


 お父様が継母とわたしの仲を良くしようと努力しても、


「わたしは自分の子ではないあなたが嫌い。閣下の心の中の大きな部分を占めているあなたの母親、そしてあなたのことが憎い。それでもあなたを育てているのだから、ありがたく思いなさい」


 と継母は言っていた。


 育てる?


 わたしは、いつも冷たい態度を取り、そして、ちょっとしたことで怒るという態度しかとっていない継母に対して、育てられているということを思ったことは今まで一度もなかった。


 しかし、驚くべきことに、異母姉は、継母との仲が年々良くなっていった。


 幼い頃は、継母に嫌われていた異母姉。


 わたしと同じ状況だった。


 普通、そういう状況になれば、二人で慰め合ったりするものだけど……。


 異母姉は、決してわたしとそのつらさを共有しようとはせず、慰め合うこともしなかった。


 いや、それどころか、母親が違うので、わたしを受け入れようとはしなかった。


 異母姉は、


「お父様はあなたの母親のことは思い出すけど、わたしのお母様のことはほとんど思い出してくれない。それが腹立たしくてしょうがない」


 といつも言っていた。


 もしかすると、そのことに継母が同情したのかもしれない。


 継母には子供がいなかったので、同情した継母が、自分の子供のように思うようになったのかもしれない。


 それで、今のように仲が良くなったのかもしれない。


 わたしは異母姉に対しても、継母と同じように一切逆らうようなことはしなかった。


 それでも嫌われた。


 さらに嫌われることになったのは、今回の婚約のこと。


 公爵家の中で、異母姉とわたしが婚約者候補になっていて。王室からはどちらか一人を公爵家の候補にするように依頼をされていた。


 王室から公爵家にその話が来た時、異母姉は、自分が婚約者になるのだと思っていた。


 継母はお父様に異母姉を推していたし、


「ゴージャスで魅力のあるわたしこそ、殿下と結婚するのにふさわしい女性だ!」


 と言って、自分でも強い自信をもっていたからだ。


 そして、


「こんなゴージャスでなくて、魅力のない子が、婚約者の候補になること自体、腹を抱えて笑ってしまうことだわ」


 と二人とも言って、わたしのことを嘲笑していた。


 わたしは内心腹が立ちかけたが、相手にしてもしょうがないので、じっと我慢をしていた。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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