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第十五話 わたしの家族構成

 わたしの家族構成は、他のところと比べても複雑だと思う。


 お父様はこの公爵家の前当主。


 名君として領民に慕われていたが、わたしが殿下と婚約した後、ほどなくしてこの世を去っていた。


 お父様は夫人を三人迎えていた。


 一人目は異母姉の母親。


 公爵家出身で、異母姉が幼い頃にこの世を去っている。


 二人目はわたしのお母様。


 異母姉の母親がこの世を去った後、その一年後にお父様のところに嫁いで来た。


 侯爵家出身で、評判が良く、お父様は周囲に強くすすめられたという。


 美人で、お父様に尽くし、やさしくて良き夫人だったという話だが、お母様も生命は長くはなかった。


 もともと体が丈夫ではなく、病気になり、わたしを産んで二年後にこの世を去った。


 したがって、わたしにお母様の記憶はない。


 残念で仕方がない。


 お父様はその後、再婚しないつもりだったらしい。


 お母様のことを忘れられることはできず、一人になった時は、思い出しては涙を流していたという。


 しかし、公爵家の当主である以上、いつまでも一人というわけにはいかなかった。


 お父様のことを心配していた側近が、別の公爵家の女性をお父様に紹介した。


 美人で聡明な女性とのこと。


 その女性との結婚を、今回も周囲が強くすすめたのだった。


 お父様は気がすすまなかったが、結局その声に押される形で結婚をすることになった。


 それが三人目の夫人。


 お父様との仲は良さそうだった。


 外での愛想は良く、お父様の夫人としてふさわしいと評判になっていた。


 しかし……。


 わたしにとっては苦闘の始まりだった。


 お父様のいるところでは、わたしをかわいがるそぶりをする継母も、お父様がいなくなると、途端に態度が変化した。


 常に小言を言われ、怒られる。


 そこにはわたしを愛そうという心は全くない。


 そして、


「あなたと一緒にいるといつも気分が良くない。もう嫌になる。それでもあなたの世話をしてあげているんだから、ありがたいと思いなさい」


 という冷たい言葉を毎日のように聞かされる。


 イジメだった。


 わたしは継母のそういう凍った心を少しでも溶かそうと努力した。


 何を言われても絶対に逆らわず、笑顔で継母に従った。


 内心では涙が出そうになることもあったけれど、懸命に耐えた。


 しかし、継母の態度は年々酷くなっていく一方だった。


 お父様は時々お母様のことを懐かしむ。


 継母としては気分のいいものではなく、子供であるわたしがますます憎くなっていったのだと思う。


 それで、わたしに対する仕打ちも酷くなっていったのだと思う。


 しかし、それは、言いがかりの面も大きかった。


 というのも、お父様は、継母とわたしのいる前で、


「リンデフィーヌの母親のことは、時々思い出すことがある。懐かしくなることもある。でもリンデフィーヌの今の母親はここにいる。大切にしてほしい。そして、今のわたしの伴侶はあなただ。わたしはあなたを愛しているし、もっと大切にしていく。この子にもやさしくするようにお願いしたい」


 という話をすることがあったからだ。


 お父様も継母とわたしの仲が良くないということは理解していた。


 それでそういう話をしてくれたのだと思う。


「面白い」


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