表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/137

第十四話 冷たい継母と異母姉

 今日の朝、わたしはお風呂に入った後、粗末なパンと牛乳を食べた。


 牛乳はともかく、パンはまずくて食べる気がしなかった。


 それでも食べないわけにはいかないので、我慢をしてなんとか食べた。


 この二日間は、朝食や昼食はなくて夕食しかなく、ここでその粗末な食事をしていたのだけれど、今日はこれから追放されるということで、朝食として食べている。


 相変わらず、まずくて食べられたものではないが、食べなければ途中で歩けなくなってしまうと思うので、無理やり食べた。


 苦しかった。


 また短い時間ではあったものの、お風呂に入ることも許された。


 継母は、朝食とお風呂のことをわたしに言いにきた時、


「あなたに朝食をとらせてお風呂に入らせるのは、わたしの慈悲よ。わたしはあなたと違ってやさしい人だから。ありがたく思いなさい」


 と言っていた。


「ありがたく思いなさい」


 と言っているけど……。


 このお風呂や朝食のことは、わたしにというよりも、公爵家の人々に、自分のやさしさを印象付けたい、という思いが強い気がする。


 隣にいた異母姉も、


「お母様はすごいです。追放される人間にそこまでお恵みを与えるとは。殿下に歯向かい、公爵家に恥ずかしい仕打ちをした人間なのですから、食事など与えなくてもよろしかったのに。まして、お風呂まで与えるとは。お母様ったら、なんと慈悲深い方なんでしょう」


 と継母を褒める。


 異母姉の側近も隣にいたが、


「お嬢様のおっしゃる通りです。このようにやさしいお方がこれからもこの公爵家を統治していくことになれば、この公爵家も公爵領もますます発展していくでしょう。領民も慕ってくるに違いありません」


 と微笑みながら言った。


 この側近は、継母の言うことにはすべて従う人。


 そして、継母の機嫌が良くなることしか言わない。


 継母のお気に入りだ。


 継母は、


「二人ともうれしいことを言ってくれますね。わたしのいいところをよく理解してくれている」


 と言ってわたしの方を向き、


「二人はこうしてわたしのことを理解してくれているのだから、あなたも理解をきちんとしなさい。今まであなたは、わたしのやさしさを理解しようとしなかった。それどころか、わたしを苦しめてきました。そんなことだから婚約を破棄され、この家を追放されてしまうのよ。全く、なんでこんな子が今まで継母とは言え、母として接しなければならなかったのだろう。今までのことを思うと、腹が立ってくるわ」


 と少し厳しい口調で言った。


 異母姉も、


「長い間、お母様だけでなく、わたしのことも理解しないできた人です。わたしも我慢してきましたが、お母様もよく我慢してきました。この人は、ますます公爵家の恥だという気持ちが大きくなります」


 と言った。


 二人とも何を言っているのだろうという気しかしない。


 やさしい人は、そもそもわたしに、幼い頃から冷たい仕打ちはしないと思う。


 わたしは今まで、継母や異母姉となんとか仲を良くしようと一生懸命努力してきた。


 しかし、このセリフを聞くと、それが全く通じていないと思い、悲しくなってくる。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


と思っていただきましたら、


下にあります☆☆☆☆☆から、作品への応援をお願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に思っていただいた気持ちで、もちろん大丈夫です。


ブックマークもいただけるとうれしいです。


よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ