第百三十七話 幸せを味わう二人
その日の夜。
結婚式の一環としての宴が終わった後、わたしは殿下の寝室に招待された。
招待そのものは、毎日されていたのだけど、今日からここは夫婦の寝室になる。
わたしたちは、それぞれお風呂に入って、体を洗った後、ベッドの上に座った。
夫婦になったので、そろそろお風呂には一緒に入りたい気がしてきていた。
とはいうものの、恥ずかしい気持ちの方がまだまだ強い。
夫婦になったのだから、そういうところも乗り越えていかなくては、と思うのだった。
殿下とわたしは肩を寄せ合う。
「結婚式、お疲れ様でした。皆様に祝福されて、とてもいい結婚式だったと思います。皆様、そして、あなたにはとても感謝しています。これほどうれしいことはありませんでした」
「わたしも皆様に祝福されて、とてもうれしい気持ちでいっぱいになりましたし、ありがたいと思いました。皆様、そして、殿下には感謝してもしきれません」
「ただ、お疲れだと思います。大丈夫でしょうか?」
心配そうな殿下。
「お気づかいありがとうございます。さすがに少し疲れました。しかし、こうして殿下と一緒にいると、癒されて疲れがとれてくるのでございます」
「それはわたしも同じです。あなたと一緒にいると、癒されて、元気がでてきます」
わたしたちは、微笑みあう。
「殿下、今日はとても素敵な結婚式になって、わたしは喜びでいっぱいです。たくさんの人々がわたしたちを祝福してくださいました。一生忘れられない思い出になりました。これも、殿下の並々ならぬご尽力があったからだと思います。殿下は、ご多忙だったというのに、わたしを救けていただきました。なんと御礼を申し上げていいのかわかりません。ありがとうございます」
「いや、それは、あなたが努力し、魅力をますます上げて、周囲の人々の評価が高くなっていったからこそ、今日これほどの祝福を受けることができたのです。わたしだけの力では、ここまで祝福されるということはなかったと思います」
殿下はそう言った後、
「こちらこそ御礼を申し上げなければならないと思っています。ありがとうございます」
と言って頭を下げた。
「わたしからも改めて御礼を申し上げます。ありがとうございます」
そう言ってわたしも頭を下げた。
わたしたちが頭を上げた後、殿下は、
「わたしはあなたと結婚できて幸せです。でもこの幸せは、まだ始まったばかりの段階です。これから、もっともっとあなたを幸せにしたい。そして、二人で一緒に幸せになっていきたいと思っています」
「わたしも殿下と同じ気持ちです。二人で一緒に幸せになっていきたいです」
「そして、二人でこの王国を幸せあふれるところにしていきましょう」
「殿下のその志が実現できるように、わたしは全力で協力をしていきます」
「リンデフィーヌさん、わたしはあなたに尽くしていきます。わたしたち二人、そして王国の人々が幸せになっていけるように、わたしは一生懸命努力します」
「わたしも殿下に尽くしていきます。そして、殿下にわたしのすべてを捧げていきます。殿下とわたしの二人、そして、王国の人々が幸せになっていけるように、わたしの方も一生懸命努力していきます」
「リンデフィーヌさん、これからはあなたをもっともっと大切にしていきます」
「わたしは殿下のものです。大好きです、愛してます」
「わたしもあなたが大好きです。愛してます」
殿下はわたしを抱きしめた。
そして、唇を近づけてくる。
わたしも唇を近づけていった。
唇と唇が重なり合っていく。
心が今までになく甘いものになっていった。
ああ、殿下、これから一生、いや、来世以降も殿下を愛していきます。
わたしたちは、夫婦になった幸せを味わっていくのだった。
今回が最終回になります。
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