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第百三十話 王国と公爵家の状況

 わたしは、貴族の不満を少なくしていく為、貴族たちに対する融和策を提言するつもりだった。


 しかし、それを提言する前に、わたしは婚約を破棄されてしまった。


 残念で仕方がない。


 民衆と貴族たちは、減税と王太子の変更を要求した。


 国王陛下は、病気で疲れ切った体をおして、貴族たちと応対したとのことだ。


 さぞ大変だったと思う。


 民衆と貴族たちの要求を受け入れる形で、王太子はマイセディナン殿下からトラヴィスナン殿下に変更になった。


 変更になっただけではなく、今まで民衆や貴族たちに対して酷い仕打ちをしていたということで、マイセディナン殿下は修道院に行くことになった。


 それだけではない。


 マイセディナン殿下の婚約者になっていた異母姉は婚約を破棄された。


 そして、遊び相手となっていたゼリドマドロンさんは実家に帰されることになった。


 王妃殿下と妹様については、政治から遠ざけることにした。


 二人をこのままにしておくと、後継ぎのトラヴィスナン殿下の政治にも介入しかねない。


 それを防ぐ為ということだ。


 二人は、ものすごく悔しがったという。


 国王陛下にとってはつらい決断だったと思う。


 自分の子供を後継ぎにすることができなくなるということ。


 それはとてもつらく苦しいことに違いない。


 マイセディナン殿下は、国王陛下に王太子を変更し、修道院に送ると言われた後、なかなか納得はしなかったそうだ。


 抵抗をし続けるので、しびれを切らした国王陛下がマイセディナン殿下を執務室から追い出すことになった。


 ドアの前まできた時、マイセディナン殿下は泣きながら、


「わたしを王太子のままでいさせてください。修道院にはいきたくありません。わたしはこの王国の王になる人間なんです。この王国はわたしのものなんです。思いのままにこの王国を動かしたいのです。お父上、お願いします!」


 と懇願したということだ。


 もちろん国王陛下がそれを聞くわけがない。


 こうしてマイセディナン殿下は修道院に送られていった。


 哀れだと言うしかない。


 異母姉の方は公爵家に戻らざるをえなかった。


 本人としては、とても悔しかったと思う。


 公爵家に戻った後、政治から遠ざけられた王妃殿下や妹様、そして継母と協力して、なんとかマイセディナン殿下を王太子に復帰させ、自分も婚約者に復帰しようと思っていたようだった。


 しかし、そういうことを思っている余裕はなくなっていく。


 公爵家領内で、継母と異母姉に対する反発が大きくなっていた。


 異母姉が当主になったのだが、税率を高くして贅沢をするという、マイセディナン殿下と同じようなことをした為に、領民の不満がたまっていったのだ。


 そしてついに、屋敷の門の前に領民が押しかけることになってしまった。


 鎮圧しようにも人数が多く、難しい。


「税をもっと軽くしろ!」


「このままでは生きていけない!」


「贅沢はするな!」


 マイセディナン殿下の時と同じ声があがっていた。


 そして、


「リンデフィーヌ様を当主に!」


 という声もあったそうだ。


 これはありがたいことだと思っている。


 この日は、要求の声を上げた後、比較的短時間で領民たちはは去っていった。


 要求すること自体が目的だったようだ。


 公爵家内での改革に期待するところがあったのだろうし、領民の方でも統制が取れていないところもあったのだろう。


 しかし、


「次にここに来る時は、要求が通るまで居座り続ける」


 と集まった領民のリーダーは言っていたそうだ。


 継母や異母姉は、とても悔しがっていて、


「誰が領民たちの意見を聞くものか! 今度来た時は、絶対に鎮圧してやる!」


 と言っていたようだ。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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