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第百二十四話 苦しみが押し寄せてくる (異母姉サイド)

「あなたのようなものが、我が子の婚約者だなんて……。ふざけるのもたいがいにしてほしいものだわ」


「そうよ。お母様の言う通りだわ」


「あなたは我が子にふさわしくありません!」


「おにいさま。お母様の言う通り、今すぐこの女と別れるべきよ!」


 王妃殿下である殿下の母と妹のわたしに対する攻撃はますます激しさを増してくる。


 うんざりしてくる。


 こうなったら、殿下がどう思うと、絶対に結婚したいと思った。


「わたしは正式に婚約者になったものです。いくら母王妃殿下や妹様が、『いますぐこの女と別れるべきよ!』とおっしゃったとしても、何の関係もありません、もう二度とそういうことはおっしゃられないでください!」


 こういう強い調子で反撃に出るようになった。


 殿下に対しても、


「殿下、すぐにでもわたしと結婚してください。でないと、あのお二方が殿下から主導権を奪ってしまいます。わたしは殿下を愛しています。わたしなら、殿下をずっと支えていくことができます」


 と結婚を強く迫っていく。


 殿下の性格からすると、こうしたことを言えば言うほど、わたしから心を離れていくということは、理解していなかったわけではない。


 でも言わなくてはならなかった。


 殿下の母と妹に勝つことができなければ、殿下と結婚することはできない。


 たださえ結婚を望んでいない殿下。


 殿下の心は、まだわたしからそれほど離れていない状況だと思っているので、二人が何を言ってきても、今のところは婚約破棄される可能性は低い。


 しかし、わたしが二人に負けてしまったら、容易に殿下は二人の方に組みすることになり、婚約破棄まで進んでしまうと思われる。


 二人に勝ち、わしに対して何も言えない状態にしなければならない。


 でもそうしていくと今度は、結婚するという意志が強くなりすぎて、殿下の距離が離れて行く。


 距離が離れて行くと、今度は新しい遊び相手を作ってしまう可能性がある。


 ただでさえ十数人の女性と付き合ってきた人だ。


 そうなったとしても、わたしの方は我慢するしかないだろう。


 とはいうものの、とても嫌なことなので、我慢をするのも大変なことだ。


 それでも二人に勝たなくては、その先に進んでいくことはできない。


 毎日二人と言い争い、殿下に配慮するというのは、とても疲れることだ。


 いや、疲れているなどと言っている場合ではない。


 わたしは殿下の婚約者だから、殿下と結婚するのは私以外にありえないのだ!


 そう思うのだが、心の疲弊はますます進んでいく。


 食欲もだんだん進まなくなってきていたし、眠りも深いとはいえなくなってきている。


 そして、なにかにつけてイライラしてくるようになっていた。


 婚約者になるということが、これほど大変なものだとは思わなかった。


 いや、この王室の場合は特別だろう。


 殿下は遊び好きで結婚すること自体を嫌っているし、殿下の母と妹はわたしを毛嫌いする。


 普通ここまで酷いところは少ないのではないかと思う。


 わたしの幸せの時間はあっという間に終わってしまった。


 今は幸せどころか苦しみが押し寄せてきている。


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