第百十五話 わたしは殿下のもの
殿下の寝室への招待は、夜遅くになる日が多くなりそうだ。
殿下は、そのことを申し訳ないと言っていた。
そして、それでもわたしと毎日寝室で一緒に過ごしたいと言ってくれている。
わたしはそれに対し、
「殿下はこれからますます忙しくなりますので、それは仕方がないと思います。わたしの方は、いつ招待されても大丈夫です。わたしは寝室に招待していただくだけでもうれしいです。ただわたしは殿下の健康が心配です。夜遅くまで仕事をされる日が続くと、疲れの方も相当たまってくると思います。それなのに、その後、わたしを招待しても大丈夫なのでしょうか? どうしてもお体の方を心配してしまいます」
と応える。
「リンデフィーヌさんはやさしい。心配してくださって、ありがとうございます。しかし、わたしは大丈夫です。先程も申しましたが、わたしはあなたと毎日寝室でご一緒にすごしたいのです。ご一緒にすごすことができない方が、疲れをとることができないと思っています。わたしはあなたにいつも癒されていただいています。あなたと一緒だと、どんなに疲れていても力が湧いてくるのです。ありがたいことです」
「殿下にそうおっしゃっていただけるとうれしいです。わたしが殿下のお力になれるのであれば、どんなに夜遅くなっても、殿下のところにまいります。殿下のことを癒していけるように、もっと努力をしたいと思います。それだけではありません。わたしも殿下に協力できるところはしたいと思っています。そして、夜遅くなる日を少なくしていく為のお手伝いをしたいと思っています」
殿下との愛を育んでいく為であれば、どれだけ遅い時間になっても受け入れていきたい。
「申し訳ありません。わたしにご協力していただけるのはとてもありがたいことです。あなたのご負担にならないように、わたしの方でも仕事を効率よく行うように努力をして、夜遅くなる日を減らしたいと思っています」
「お気づかいありがとうございます」
殿下のこういう細かい気づかいも好きだ。
「それではよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
殿下とわたしは、お互い、恥ずかしがりながら頭を下げ合った。
殿下は、わたしのことを、癒してくれる存在だと言ってくれている。
しかし、自分ではまだまだ殿下を癒しきれていないと思っている。
もっと、殿下を癒すことのできる存在になりたいと思う。
そして、殿下は、
「リンデフィーヌさん、わたしはますますあなたのことが好きになっていきます」
と言った。
「わたしもです。殿下、この気持ちは前世の時以上です。これからもっと好きになっていきますし、愛していきます。そして、来世でも愛し続けますし、それだけではなく、来々世以降でも愛し続けていきます」
「わたしも前世よりもあなたのことが好きです。この愛をもっともっと育てていきます。そして、わたしもあなたを、今世だけではなく来世でも愛し続けていきます。そして、あなたがおっしゃったように来々世以降も愛し続けます」
「殿下、大好きです。わたしは殿下のものです」
「リンデフィーヌさん、わたしもあなたのことが大好きです。わたしはあなたのものです」
殿下は唇を近づけてくる。
わたしも唇を近づける。
唇と唇の重ね合い。
心が甘くなっていく。
ああ、殿下、素敵です!
わたしは幸せいっぱいになっていくのだった。
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