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第百七話 殿下の婚約者になりたい

 わたしは殿下のアドバイザーとしてではなく、婚約者になりたいと国王陛下に伝えようとしていた。


 しかし、国王陛下は話を続けていたので、こちらから話すことはできていなかった。


「あなたの能力が高いことは認める。そして、この王国にいい影響を与えてくれそうなことも認める。しかし、それだけではわたしは婚約を認めることができない。王太子が気まぐれで、あなたのことを好きになったのではないだろうか、と思う気持ちを持っているからだ。そして、あなたの方も、王太子のことを心の底から好きになってはいないのではないか、と思った。今は気まぐれでお互い好きになり、結びついたとしても、長続きするものではないと思っている。まして、王太子妃ともなれば、やがて王妃になり、オディリアンルンドを支えてもらわなければならない。気まぐれでは成り立たないことなのだ」


 と言い、それに続いて、


「わたしも同じ気持ちです」


 と王妃殿下も言った。


 もっと、わたしの想いを二人に伝えなければいけない。


 そうしないと婚約を認めてくださらないのでは?


 強い想いでわたしの想いを伝えなければ、とわたしは思う。


 しかし、国王陛下の話は続く。


「あなたの王太子への想いは本物なのだろうか? そして、王太子の方も、あなたに対する想いは本物なのだろうか? それがわたしたちにはわからない。今だけの想いならば、わたしは婚約を認めることはできないし、付き合うことも認めることはできない。それは、あなたたちだけの話ではなく、この王国全体の話になってくるからだ。あなたたちが両想いで、一生睦まじく過ごしていくという強い想いがない限り、婚約は認められない」


 国王陛下はそう言った。


 国王陛下の話は一旦ここで終わったのだが、その厳しい表情と言葉に、わたしは伝えようとしていた言葉がなかなか出てこない。


 国王陛下が言っている、


「一生睦まじく過ごしていくという強い想い」


 という言葉が、わたしの心の中で急激に大きな位置を占めてくる。


 殿下はそこまでわたしを愛することができるのだろうか?


 今の時点では良くても、その内嫌いになってしまうのではないだろうか?


 しかし、わたしはすぐに思い直した。


 わたしたちは、前世で結婚を約束して、ようやく婚約というところまできた。


 国王陛下の言う、


「気まぐれ」


 で結びついているわけではない。


 心と心の結びつきだ。


 しかもそれは前世から続いている。


 幼馴染として生まれることはできなかった。


 しかし、これからはもうずっと一緒。


「一生睦まじく過ごしていくという強い想い」


 この言葉の通り、殿下のことを強く想って生きていきたい。


 そして、殿下に尽くしていきたい。


 わたしは国王陛下に、殿下への想いを今度こそ伝えようとしていた。


 すると、わたしのそばで、今まで黙って聞いていた殿下が、


「お二人にご心配していただくのは、とてもありがたいことだと思っています。しかし、ご心配はなされないでください。わたしはリンデフィーヌさんが大好きです。信じていただけないかもしれませんが、前世からこの方を愛してきたのです。この方をこれから一生守り、この王国を今以上に発展させ、二人で幸せになっていきます。リンデフィーヌさんとの婚約、そして結婚を認めてください。お願いいたします」


 と柔らかい表情ではあるものの、強い口調でそう言った後、頭を下げた。


「面白い」


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