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第百二話 殿下の理想のお方

 わたしはマイセディナン殿下のことを、


「前世で約束した方かもしれない」


 と思ってしまった。


 マイセディナン殿下が約束した方ではないのに、わたしは婚約を受け入れてしまった。


 周囲に進められたので仕方のないところはあるし、マイセディナン殿下が約束した人かもしれないという思いはなかなか薄まってはいかなった。


 その結果が婚約破棄、そして、公爵家からの追放。


 苦しみの連続になってしまった。


 わたしの殿下に対する想いがまだまだ弱いものだったということだと思う。


「殿下との前世の約束」


 をマイセディナン殿下との婚約前に思い出せていれば、婚約は断固として断った。


 殿下への想いを強いものにできていなかったので、思い出すことができなかったのだと思う。


 これは、今でも反省している


 その分、これからは殿下のことだけを強く想っていく。


 今世だけではなく、来世、そして来々世以降も。


 もうわたしの相手は殿下以外にありえないと思っている。


 もちろん、強く想っているだけではいけない。


 殿下の理想の人になっている必要がある。


 そうしなければ、殿下はわたしのことを嫌いになってしまうかもしれない。


 殿下は、わたしのことを、


「前世でも今世でも理想の女性」


 と言ってくれている、


 ありがたいことだ。


 殿下の理想の女性になれているかどうかは、わたし自身ではわからない。


 まだまだ足りないところは多いと思う。


 でも毎日一生懸命努力はしてきている。


 侍女がどういう思いをしているかはわからない。


 でも、


「殿下の理想のお方」


 と言ってくれるだけでも、うれしい気持ちになる。


 わたしは侍女に、


「そう言ってくださるのはありがたいです。でもわたしはまだまだそこまで到達しているとは思いませんので、より一層努力していきたいと思っています」


 と言った。


 すると、侍女は、

「あなた様でしたら、きっと、殿下のいいお妃になれると思います。そして、この王国を殿下と一緒に、もっと発展させていけそうな気がします」


 と言ってくれた。


 うれしいことだ。


 わたしは少し涙ぐみながら、


「ありがとうございます。あなたのご期待に応えられるように努力していきますね」


 と応えた。


 この侍女は、こうしたことを言ってくれるし、よくわたしの世話をしてくれる。


 わたしは侍女に感謝するとともに、付けてくれた殿下にも感謝をするのだった。




 わたしは殿下とますます親しくなっていった。


 しかし親しくなればなるほど、夜一人でいる時は、寂しい気持ちになることが多くなってきた。


 殿下ともっと長く過ごしたいと思う。


 毎日、夜、別れる時に、殿下はキスをしてくださるが、それだけでは足りなくなってきていた。


 まだ少し恥ずかしい気持ちはあるけれど、求められたら対応する心の準備はできてきていた。


 でもそれを殿下に言うわけにもいかない。


 殿下にまだその気がないのに、わたしから求めたら、それこそわたしのことを嫌いになってしまうかもしれない。


 わたしは次第に、夜一人の時は、寂しさだけではなく、悶々とした気持ちになることも多くなってきた。


 そうした中、国王陛下と王妃殿下にお会いする前日が訪れた。


「面白い」


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