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第百一話 侍女との語らい

 殿下と過ごす時間は短かった。


 とにかく殿下は忙しい。


 殿下と会っていない間は、これから殿下のお役に少しでもたとうと思い、このリランギュール王国の状況について把握をしようとしていた。


 内政についてのアドバイスをする為だ。


 殿下にそのことを話すと、


「一緒にこの王国を豊かにしていきましょう」


 と言って、喜んでくれた。


 殿下は、この王国の内政について、公表されている資料を提供してくれた。


 それらを読み込んで、問題点を把握し、対策案を練っていく。


 公爵家でも行ってきたことではあったけれども、さすがは王国。


 資料の量は膨大で、読み込むだけでも一苦労。


 時間がとにかくかかる。


 一日、部屋の中で、それにたずさわることになるので、心の疲労は相当なものだ。


 しかし、殿下の為だと思えば、それは苦しいとは思わない。


 しかも、殿下が救けてくれる。


 夜、短い時間ではあったけれど、毎日、殿下と話すことができた。


 お互い話に夢中になり。楽しい時を過ごしていた。


 そうしている内に、わたしの心の疲労も回復していく。


 殿下と仲良くなっていけばいくほど、この素敵な方が、今までよくどの女性とも付き合わなったものだと思う。


 殿下はわたしの為に、わたしの世話をする侍女を一人付けてくれた。


 その侍女とだんだん親しくなっていく。




 ある休日の午後、わたしは彼女と少し話をしていた。


 殿下の話になった。


 彼女が言うには、今まで殿下は、多くの女性から交際を申し込まれていたということだ。


「殿下は武術から学問まで、すべてに優れたお方。ハンサムですし。貴族の女性の方々の多くが殿下に夢中になってられました」


「そうでしょうね。これほど素敵な方はおられないとわたしも思います」


「でも、なぜか殿下は、そういった方々に興味を示すことは一度もありませんでした。いや、冷たい態度をとるというわけでは、決してないのです。誰にでもやさしく接するお方で、わたしにもやさしく接していただいていますから。しかし、交際ということになると、断ってしまわれるのです」


「そうだったんですか……」


 マイセディナン殿下とは大違いだ。


「それでも殿下のことを好きになった女性は、あきらめていません。今でも、殿下と付き合い、婚約、そして結婚したいという女性はたくさんおられます。普通の男性の方でしたら、どなたかと付き合っていただろうと思います。理想の女性の方と出会うまでは、婚約どころか、お付き合い自体、なされないのかもしれません。そう思う方もだんだん増えていると伺っております。国王陛下も王妃殿下もご心配されていますが、殿下のご意志を尊重されていると伺がっています。理想の方と結婚するのが、男性の方にとっても女性の方にとっても一番いいことだとわたしも思います」


 そう言って、侍女は一旦言葉を切った。


 そして、


「もしかすると、あなた様が殿下の理想の方なのかもしれませんね」


 と言って微笑んだ。


 わたしは恥ずかしくなってくる。


 殿下は、わたしと今世で出会うまで、約束自体は思い出さなかったけれども、理想の女性を追い求め、誰とも付き合ってこなかった。


 今までたくさんの女性に言い寄られてきたというのに、すごいことだと思う。


 わたしはますます殿下のことが好きになってくる。


「面白い」


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