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第一話 婚約者に婚約を破棄されたわたし

 わたしはリンデフィーヌ。ブルトソルボン公爵家の令嬢として生きてきた。


 マイセディナン王太子殿下の婚約者。


 今日は、舞踏会の前日。


 明日は、殿下とダンスを踊ることになっていた。


 しかし……。


 殿下は、


「わたしはリンデフィーヌのことが嫌いだ。わたしマイセディナンはリンデフィーヌとの婚約を破棄する」


 と冷たくわたしに言うのだった。




 わたしは、今日、殿下の部屋に呼ばれていた。


 王宮に馬車で入り、今、殿下付きの侍女と一緒に殿下の部屋に向かっているところ。


 婚約してからは、ほぼ三日に一回のペースで、殿下に会いに行っている。


 会う回数自体は、決して少なくはないとは思うのだけど、わたしと殿下は、決して仲がいいとはいえない。


 わたしは殿下と仲良くなりたいと思っているのだけど、殿下の方が距離を縮めようとしない。


 わたしのことを抱きしめたことは、婚約が決まった時の一度しかなく、それもほんのわずかな時間だけ。


 ちょっとした話ですら、うまくできない。


 その距離を縮めるチャンスが舞踏会。


 わたしたちは、まだ二人で踊ったことはない。


 二人で一緒にダンスを踊れば、少しは仲が進みそうな気がしていた。


 ただ舞踏会本番でいきなり踊るというのは緊張する。


 ダンスの練習自体は、幼い頃からしていて、周囲の人たちからは上手だと言ってもらっている。


 わたし自身はまだまだ練習が必要だと思っているが、殿下と踊っても大丈夫なレベルにはあると思う。


 しかし、それでも殿下と踊って失敗してしまったら、ということはどうしても思ってしまう。


 わたしは王太子妃になる立場。


 そういう失敗をすることは、殿下だけではなく、王室全体に迷惑をかけることになってしまう。


 できれば今日、殿下と練習をしておきたい。


 殿下の方から、わたしとダンスの練習をする気になってくれるといいのだろうけど。


 いや、殿下のいつもの調子だと、そういうことはありえない話で、話をするにしてもただ単に、明日のことについての打ち合わせをするぐらいしかできないだろう。


 わたしの方から殿下に思い切って、練習の話をするべきだろうか、と思う。


 殿下の方も、わたしと一度一緒に踊っておけば、明日の舞踏会でうまく踊ることができるので、いい話ではないだろうか、と思う。


 しかし、そのことを言う勇気はない。


 本来なら婚約者なのだから、そういうことを申し出れば、喜んでもらえると思うのだけど、殿下はわたしに好意を持てないままでいるようなので、そういう申し出をすると、かえって怒られてしまう気がする。


 とはいっても、このままお互いの仲が進まないまま結婚して、夫婦としてやっていけるのだろうか?


 形だけの夫婦になるのは嫌だけど、このままではそうなる可能性が強い。


 それで、わたしは耐えていけるのだろうか?


 どうして殿下はわたしに好意を持ってくれないのだろう。


 わたしの方は今まで殿下の距離を縮めようとしてきたのに……。


 そういうことを思わざるをえない。


 殿下の部屋がだんだん近づいてくる。


 殿下の方から誘ってくれれば、わたしが悩むことはないんだけど……。


 そう思いながら歩くと、殿下の部屋のドアの前に来た。


 いつもこのドアをノックする時は緊張する。


 今日はいつもにも増して緊張していた。


 しかし、ここまで来た以上、とにかく殿下と会わなくてはならない。


 ドアをノックする。


「殿下、リンデフィーヌです。部屋に入ってよろしいでしょうか?」


「どうぞ」


 殿下の声。


「失礼します」


 ドアを開け、部屋に入るとそこには……。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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