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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン1 chapter11
94/364

次の夢へ-5

「ウィーーーーーーーー!」


『今日もドリームメーカーの雄叫びが超満員の中山競馬場に鳴り響く!


グランプリ有馬記念!


各馬体勢完了…



スタートしました!』


瑤子の胸に抱かれるため、ひたむきに…そして威風堂々と走るコナン。


『さぁ!ドリームメーカーが行くぞ!

一緒にアドバイザメモリーも前に出た!

その後ろにデビルカッターとデーモンヒル!

ロンバルディアはこの位置!

その内イーグルショット!

ライラポイントは中団待機!』


母の祈りと祖母の魂が流星に込められたビンゴ。


『ファンタジスタは中団やや後方!


ユリノアマゾンはシンガリで追走!



中山競馬場の割れんばかりの歓声が今年の主役達へ注がれています!


ドリームメーカーが先頭で展開されます有馬記念!

アドバイザメモリーは2番手!


デビルカッターとデーモンヒルは少し離れた位置!


ロンバルディア、イーグルショット、ライラポイントでひとつ集団ができています!



後続集団にヒシガーディスとファンタジスタ!


シンガリにユリノアマゾン!


縦長の展開となりました!』



武田文吉。長く競馬界で調教師として活躍してきた名トレーナー。長くやってきた分だけ、数々の結末を見てきた。それは最高の栄誉だったり、最悪の末路であったり。


馬を鍛えて強くする


これは急激に進化した日本の血統の中の盲点から生み出された武田の信念である。


日本が誇る伝統のステイヤー血統。

外国からの輸入種牡馬のスピード能力に押されている現在、競馬界自体もスピード重視の番組編成に移行していった。

時代についていけない血統は消滅するだけ。

しかしスピード競馬に不利な馬は鍛えればいい。

最悪の末路を最高の栄誉に変えるために。

武田の信念の理由だ。


今や地味と言う表現をされる日本の血。戦後、競馬後進国だった日本競馬はヒンドスタンという輸入種牡馬によって構築される事となる。そして力強さと忍耐力、タフさを凝縮した日本独特の血統となった。


目の前を走るドリームメーカーを見ながら武田は思った。

(鍛えれば鍛えるほど強くなる…調教師冥利に尽きる馬だ)


馬を潰すと言われている武田文吉。しかしこの男ほど馬を愛する人間はいない。

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