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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン1 chapter10
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乱舞-9

表彰式。足の震えが止まらない。


だってジャパンカップだぞ!?


俺は一人では立っていられず宝田の肩を借りて《生産者》の台に登った。宝田と一緒に。


空いた《馬主》の表彰台。


俺は瑤子に合図を送った。


ドリームメーカーの馬主は瑤子だ。



俺たち飛田牧場は三人揃って表彰台に立った。



チラッと横目に騎手台に登った浦河美幸が見えた。


わんわん泣いている。


初のGⅠ制覇がジャパンカップだ。


泣きたいだけ泣け!


俺も泣くから!



表彰式が終わって、瑤子が不安な顔で近寄ってきた。


「祝勝会はどうするの?」


そうか…GⅠ勝っちゃったもんな…。

まさかうちの牧場でBBQってわけにはいかないよな…。


「社長…普通はこういう祝勝会は当日やるもんでっせ…」


ええ~そうなの!?


馬主ってめんどくせ~。



その時、龍田仁がこちらに向かってくるのが見えた。


さっきからゲスト解説で散々ドリームメーカーの悪口をいいやがって…。


しかし今は龍田の相手をしている場合じゃない。


逃げようとした時、

「おい!貧乏人!

ちょっと待て!

おい!ちょっと待てって!

だから逃げんな!

待てって言ってるだろう!」


シカトし続けていたが結局捕まった。


「なにをそんなに慌ててるんだ?」

仕方がないから事情を話して、また逃げようとした。


「おい!待て!

ちょっと待ってろ!」

龍田は携帯電話を取りだしどこかに電話をしはじめた。


「おい!貧乏人の秘書!何人来るんだ?」

瑤子に話しかけてから、また話しをして電話をしまった。


「東京スペシャルホテルをおさえてやった。


費用は立て替えてやる。

今日の賞金で必ず返せよ。」


おお~龍田~おまえは使えるな~。


「じゃあ龍田ありがとな!また今度お礼するよ!」

立ち去る俺たちに、

「おい!俺も行くだろ…」

ついてきやがった。


浦河美幸は最終の新幹線で東京から京都にある自宅マンションに帰ってきた。


「ただいま~」


帰りを待っていた和光千賀子が出迎えてくれた。


「美幸~~!!!

凄い凄い!!!

おめでとう!!!」


いきなり抱きついて勝利を称えてくれる千賀子。


美幸は1番会いたかった顔を見てまた涙が溢れた。




俺たちの二次会はもちろん新宿二丁目レガシーワールドだ。


浦河美幸はとっとと帰りやがるし、瑤子は実家に泊まるって行ってしまうから男だらけのオカマバーになった。


原辰巳が宝田に絡んでいた。

武田調教師は龍田に説教している。

障害レースで東京に来ていた村木と違う仕事で来ていた春文も合流して、なんともうさんくさい二次会となったが、これはこれで楽しい。


コナンに感謝だ。



人生で一番幸せな楽しい夜となった。



思い起こせば長い一年だったな…。


辛い事もあった。でも幸せな事が多かった。そんな一年だった。


その一年も有馬記念で終わる。



俺はこの幸せが一生続けばいいな…そう思って酒を飲んでいた。

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