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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン1 chapter10
81/364

乱舞-1

瑤子は一人京都競馬場に来ていた。


菊花賞。

クラシックを締め括る3000mの長丁場。

前日武田調教師と話をした。

「今回は期待できるかもしれん。まぁ期待と言っても一着とまでは言わんがな。」


やはりロンバルディアが飛び抜けている。



1番人気はロンバルディア。

2番人気にドラゴンウイング。

3番人気ドリームメーカーだ。



レースが近づく中、瑤子は携帯電話を取り出した。


メルを打ってしばらくすると返信がきた。


『大丈夫

絶対コナンは勝つ』


飛田雅樹からの返信だ。


瑤子は携帯電話をしまい、ターフに集中した。


『菊花賞の発走がそろそろ近づいて来ました!

ダービー馬ファンタジスタが見事に凱旋門賞を制して最強世代と言われた今年の3歳!

日本で残されたクラシック組の走りにも期待です!


本馬場入場が始まりました!


1番人気は皐月賞馬ロンバルディア!

長部幸雄は今年限りで引退!最後のクラシック制覇となりますか!?



2番人気はドラゴンウイング!春の汚名を返上したい芦毛の快速馬!今日はどう逃げる安東勝己!?



出てきました3番人気ドリームメーカー!

相変わらずのこの巨体!鞍上の浦河美幸は初クラシック騎乗!

この美女と野獣のカップルはどんな走りを見せてくれるのでしょうか!?




以上16頭です!』



俺と宝田はテレビの前で待っていた。

さぁ!今日も吠えろよ!ドリームメーカー!


「ワウーーーーーーッ!!」


よし!今日も絶好調だ!


『菊花賞…


スタートしました!』


ドリームメーカーは好スタートだ。


『もちろんこの馬が行きますドラゴンウイング!

ロンバルディアも先行策でいつもの位置取り!

なんとなんとドリームメーカーはロンバルディアにピッタリ馬体を併せるように走っております!』


「今日の獲物はロンバルディアでんな~」

宝田が笑いながら言った。


あえてもう一度言おう。

ドリームメーカーは馬ではない。狩りを楽しむ馬のナリをした獣だ。そしてかなり根に持つタイプだ。

皐月賞とダービーで屈辱を受けたロンバルディアが今日のドリームメーカーの晩餐だ。


『さぁまず一周目のスタンド前に入ります!

先頭はドラゴンウイング!これは思いっきり逃げます安東勝己!

すでに後方とは10馬身はついていますでしょうか!?


そしてロンバルディア!その外にドリームメーカー!


これはドリームメーカーの巨大な馬体でロンバルディアの姿が見えません!』


(はいはい…わかってますよ…)

浦河美幸の手綱はニュートラル状態だ。ドリームメーカーが勝手に走っている。

(邪魔はしないわ。思いっきり走りなさい…)

浦河美幸はドリームメーカーに乗っていて《折り合い》なんて考えた事がない。

しかしそれが結果的に気性難の馬の潜在能力を引き出すスキルへと成長していた。

今年に入り急激に勝ち鞍を増やしたのも気性難馬の折り合いを評価されたのと、精神的に不安定な牝馬や2歳馬との相性が抜群によかったからである。

昨年末の新馬戦で騎乗予定だった村木の落馬により、突発的だったこのカップルは、実は奇跡的な出会いであったわけである。


(今日もみんなをあっと言わせるわよ!)


相方を信頼した浦河美幸の手綱はどんなときもニュートラルである。

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