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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン1 chapter8
70/364

飛翔-3

宝塚記念はアドバイザメモリーが制覇。

デーモンヒルとの長い写真判定の末の勝利だった。



春文がうちに遊びに来たのは宝塚記念の翌日。

新婚の春文はノロケ話がしたくて仕方がないらしい。


散々ノロケられた後、ファンタジスタの今後の話になった。

「神戸新聞杯からって臼井調教師は言ってたよ」


そうか、神戸でいくか。


「飛田くん、来年順調に行けば…ファンタジスタを凱旋門に挑戦させるぞ!」

春文は力強く言った。


凱旋門!?


俺は驚いた。


それを聞いていた宝田が春文に問う。

「来年ですか?」


「ええ!来年挑戦する予定ですよ。もちろんまだわかりませんが、来年の天皇賞や宝塚記念の結果を見て判断します」


宝田は少し落胆の様子を見せた。

「宝田さんはあまり乗り気じゃないみたいですね?」


俺だって宝田だって瑤子だって嬉しいに決まってる。自分達が生産した馬が世界一を決めるレースに出られるかもしれないんだから。


しかし先日、高橋氏の話を聞いたばかりだ。


「キングジョージや凱旋門を獲るためには、天皇賞や宝塚記念は捨てるべきやと思います。年明けには現地に送って向こうのレースでステップをつけた方がベストですわ」

宝田が春文に言った。

思わぬリアクションに春文は焦っている。


「飛田くん?キミはどう思ってる?」


焦った春文は俺に話を振った。俺は何もわかんない素人だと思ってんだろう…。


「春文…凱旋門に出すなら今年だ。来年じゃ斤量が不利になる。

3歳と4歳じゃ3kgもちがうんだぞ?凱旋門が欲しいなら菊花賞は捨てるべきだ」

まさかの俺の反論に春文は驚きを隠せない。


瑤子が先日の高橋氏の話を春文にした。


「…あのデビルカッターでもキツいって…?」


そりゃ誰でも驚くさ…日本の史上最強馬が勝てないかもしれないって言うんだからさ…。


宝田は一言添えた。

「必ず本番前には一走入れてください。これは必須事項です」


と。


春文だってこの世界のプロであり成功者だ。それぐらいの知識はある。

しかしやはりクラシック菊花賞のタイトルは重要だと認識している。日本で種牡馬になるのだ。日本のクラシック成績が引退後の評価に繋がる。


「勝つ気で行くなら今年…3歳時だ」

俺は念を押すように言った。


春文は、

「今年はデビルカッターも出走するし、あのブレイブハートだって出るだろ?」

と心が揺れている。


「来年はさらに厳しくなりますよ…?」

瑤子がトドメの一言を入れた。


一度検討すると言って帰っていった。

春文一人じゃ決めれない。

社来グループの役員会でも開かれるのだろう。



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