鎮静歌-6
『ファンファーレが鳴り響きます!
大観衆は興奮状態!
枠入り完了!
日本ダービー…
スタートしましたぁぁーーー!
2頭ちょっと出遅れたが有力馬は順調に出た!
やはり行きますドラゴンウイング!今日は攻めの走りだ安東勝己!
なんとなんとドリームメーカーが抑えた!
ドラゴンウイングを2馬身先に見るかたちで二番手に控えている!』
村木は驚いていた。ドリームメーカーが自らこの位置におさまったのだ。
(今日はなにを考えているんだ…?)
『ドリームメーカーから5馬身後ろの、集団の先頭にロンバルディア!
おっとそのすぐ後ろにファンタジスタだ!いつもより前に位置をとります!
後続集団にフォークギア!
そしてそしてシンガリにはユリノアマゾンが不気味に追走しています!
縦長の展開です!
先頭ドラゴンウイングからシンガリのユリノアマゾンまでかなり開きました!』
滝豊は先行策にでた。
ファンタジスタの最後の切味は二回出せる。馬への負担もあるが、なによりこのダービーのために温存しておいたのだ。
ロンバルディアに勝つためには《二回目の脚》を使わざるをえない…。
今回もロンバルディアをマークする戦法となった。
『ロンバルディアは快調に走ります!
二冠を目指して長部はどこで動くのか!?』
長部はロンバルディアをいつもの位置で走らせた。
自分の騎手人生の集大成となるこの馬とのレース。
ライバルは他馬ではない…。
己だ…。
さぁ行こうロンバルディア!
『さぁ先頭はドラゴンウイング!
牝馬三冠馬の母を思い出させるこの走り!』
今日は攻めの騎乗…
安東勝己は思いきり前に出た。二の脚を潰しても並ばれた時の粘りがある。
今日は逃げるぞウイング!