序奏-7
『さぁ本馬場入場です!
人気順に見て行きましょう!
まずは一番人気!ロンバルディアです!名手長部はこの馬の為に引退を撤回しました!
10億円の走りはどんな走りだ!?
覇王の後継者ロンバルディア!
二番人気はファンタジスタ!天才滝豊はこの馬と共に世代を制覇すると宣言!切味鋭いその脚で世代を切り裂く!
電撃の末脚ファンタジスタ!
三番人気ドラゴンウイング!兄のドラゴンアローの意志を継いで!母ドラゴンベリーから授かったスピードを見せろ!
華麗なる一族ドラゴンウイング!
四番人気はフォークギア!兄ナイトメアが海外で夢破れ2年が経ちました!
闇夜を切り裂く末脚再びフォークギア!
五番人気はドリームメーカー!見てくださいこの馬体!真っ赤に染まった迫力の600㎏!今日もゴールで菱田瑤子さんが待っているぞ!
赤い爆星ドリームメーカー!
……以上18頭ゲートに向かいます!』
俺はもう緊張で震えていた。
瑤子がポツリと言った。
「本当にありがとう。あなたのお陰でここにこれた…コナンと一緒にね…」
俺は瑤子の一言で緊張がとれた気がした。
「今日もコナンを迎えにいかないとね!」
俺の言葉に瑤子は笑った。
ファンタジスタは軽快にゲートに向かい、落ち着いた様子。
ドリームメーカーは…いつもの儀式がある。
遥か天空になにかを誓う
「ウガウガウガウガーーー!」
今日もやる気満々です!
『さぁスターターがゲートに向かい…GⅠのファンファーレです!
(ファンファーレ中)
さぁ大観衆が声援を送るなかゲート入り開始!
枠入りは順調です…
体勢整いました!
皐月賞…
スタートです!』
ゲートが開いた!
出遅れはない!
『綺麗なスタート!
ドラゴンウイングがズルズルっと内から前に出ます!やはり食らいついたドリームメーカー!前はこの2頭で3馬身程リード!
安東勝己は今日は抑えません!
ピッタリ併せる体勢!
その後に…いました先頭集団を引っ張るシャドウロールのロンバルディア!
縦長の展開になった!先頭グループの後方にファンタジスタ!いつもより前の位置!
その後のグループ中程にフォークギア!』
大方の予想通りの展開となった。
『先頭はドラゴンウイングとドリームメーカー!
しかしペースは早くない!
ほぼ平均ペースで1000mを通過!
ロンバルディアは3馬身から4馬身後ろ!
フォークギアが徐々に前に詰めてきたぞ!
ファンタジスタを見るようにフォークギアが位置を上げた!
ロンバルディアはまだ動かない!
ドリームメーカーとドラゴンウイングが第3コーナーに入った!
ファンタジスタが動いたぞ!
外めを突いてズルズルっと上がっていく!フォークギアもついてきた!
最終コーナー手前でロンバルディアも差を詰める!
先頭はまだ2頭並んだままだ!』
直線手前でドラゴンウイングとドリームメーカーは併せたまま先頭。その2馬身後ろにロンバルディア。さらに2馬身後ろにファンタジスタが迫っていた。