爆心-5
瑤子は馬主席から急いでターフに降りた。
コナンを迎えに行かなきゃ!
武田調教師からパドックに降りるのを禁止されていた。瑤子を見てしまうと馬が集中しなくなるからだ。
そのかわり…「レースが終わったらすぐに迎えに行ってくれ、じゃなきゃあの馬はお前さんを探して暴れるからな…」と言われていた。コナンは賢い馬…お前さんがここに来ている事もわかっているはず…武田はこうも付け足した。
瑤子がターフに降りた時、コナンは向こう正面にいた。
瑤子は精一杯の声で叫んだ。
「コーナーンーーーー!!」
コナンは見つけた。愛しい母親を。
全力で母親の元に走った。
「ちょっと危ないですよ!」
係員が瑤子を制止したが、
「大丈夫だ!」
武田調教師が係員を止めた。
全力で走ってくるコナンは瑤子の前でピタっと止まり、ヒヒーンと馬らしい声を上げた。
コナンの首に抱きつく瑤子。もう号泣だ。
プヒプヒプヒ…
コナンも甘えた声。
「よくがんばったね!凄いよ!凄いよコナン!」
瑤子は鼻筋を撫でながら褒め讃えた。
レース直後の武田調教師のコメント
『こんなに見ていて疲れるレースは初めてだ』
浦河美幸騎手のコメント
『今日は馬に教えもらいました。
また機会があれば乗せていただきたいです。』
ドリームメーカーの次走は未定である。