そして…未来へ-3
有馬記念
(中山競馬場 GI 2500m)
1アルバトロス 三田 崇
2ハマーンカーン カミュー・ジダン
3セキトバ 伊達 直也
4ストライクドリーム 安田 富一
5プロミネンス キャスパル・ダイク
6デビルマン 山形 茜
7ブラックエンペラー 的矢 均
8エアマスター キャサリン・エバンス
9ゾディアック バット・デイビー
10サザビー カルマ・ザジ
11シューティングレイ 野田 新之助
12ユリノファンタジー 藤島 伸一
13エクスキューション 一位 博之
14ドリームメーカー 浦河美幸
7
「さぁ!一年の総決算グランプリ有馬記念!
今年は海外から世界競馬を牽引する2頭の怪物が参戦してまいりました!
プロミネンスとゾディアック!お互いを意識するかのようにパドックで周回しています!
最強場決定戦のファイナルラウンドが日本で決着します!
それを迎え撃つ日本勢も強豪がそろいました!
人気順に見ていきましょう!
1番人気プロミネンス!
ドバイの刺客が日本競馬制圧のため引退レースに有馬記念を選択しました!
騎手はもちろんキャスパル・ダイク。
2番人気ゾディアック!
芝・ダート両方で頂点を極めたアメリカ最強馬!
騎手はバット・デイビー。
3番人気シューティングレイ!
今年の菊花賞馬が万全の仕上がりで挑みます!
騎手は野田新之助!
4番人気アルバトロス!
皐月賞だけで終わる馬ではありません!
騎手は三田崇!
5番人気セキトバ!
本格化したセン馬は3歳でジャパンカップ制覇!
騎手は伊達直也!
6番人気ハマーンカーン!
日本のオークスを勝ったドバイの女傑!
騎手はドバイのカミュー・ジダン!
7番人気デビルマン!
人気を落としてはいますが昨年の覇者!連覇を目指します!
騎手は山形茜!
8番人気サザビー!
ドバイの刺客が天皇賞に続きグランプリをも制するのか!?
鞍上はカルマ・ザジ!
9番人気ドリームメーカー!
進化する12歳!今年は障害レースの最高峰も制しました!
そして近走すべて掲示板をはずしていない安定感!
騎手は1年ぶりの騎乗となる浦河美幸!美女と野獣コンビ復活です!
10番人気ストライクドリーム!
ダービー制覇以降苦戦が続いておりますが復活なるでしょうか!?
鞍上は安田富一!鉄人最期のレースです!
11番人気エアマスター!
前走ジャパンカップ・ダートは惨敗!しかしケンタッキー・ダービー馬の意地を見せてほしい!鞍上はキャサリン・エバンス!
12番人気ユリノファンタジー!
13番人気エクスキューション!
14番人気ブラックエンペラー!
以上14頭です!」
8
パドックで周回するドリームメーカー。発汗激しく息使いも荒々しい。
明らかに大きなプレッシャーを同じパドック内にいる2頭から感じていた。
「ワンワンワンワン!!!!!」
威嚇も始めた。そしてドリームメーカーの目が充血し吊り上る。睨むようなその怒りの表情はロンバルディアやインフェルノとの激闘を思い出させる。
騎乗の合図がかかり14頭が脚を止め騎手を待つ。
「早く走りたい
あの生意気な2頭を叩きのめしたい」
とてつもないオーラを放つプロミネンスとゾディアックを交互に睨みながら赤い暴君は的矢を待っていた。
しかし目の前に現れたのは自分を抑圧するあの騎手ではなく、長い時間を共に歩んできた戦友である生涯の相棒。
ドリームメーカーが待ちに待った浦河美幸であった。
美幸はすぐには騎乗せず、ドリームメーカーの目の前に立ち対峙して見つめあう。
一瞬、驚いたかのように目を丸くしたドリームメーカー。
そして穏やかな表情に変わった。
「乗ってもいい?」
美幸が優しく問いかける。
ドリームメーカーは四脚を折りたたみ背中の位置を下げ美幸を受け入れた。
導かれるようにその背に跨る美幸。
背中に美幸を感じたドリームメーカーは立ち上がった。
「行くわよ!」
「ウリリリリリリーーーーーーー!!!」
美女と野獣は決戦のターフへ向かった。