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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン6 chapter7
351/364

Red Passion-1


【ホースニュース】


マイルチャンピオンシップでクラウディハートがスピードオブライトを叩き合いで制して3歳にしてマイルの筆頭に名を上げた。

次走は香港マイルの予定。


そして今週は波乱の予感漂うジャパンカップ。

有力登録馬を紹介しよう。


5歳馬

デビルマン

昨年の有馬記念ホースも今年は惜敗続き。

主戦騎手である山形茜鼻息荒く、

「負けたらヌードになる!」

と宣言。

これが各マスコミを煽り、違った注目を集めている。


4歳馬

ブラックエンペラー

昨年のダービー馬も春は苦戦の結果となっている。

気性の荒さが課題だが、これも武器のひとつと騎手の岩田は言う。逃げ宣言を行った。


エクスキューション

昨年の菊花賞馬は三田崇を背に参戦。展開によっては怖い存在である。


3歳馬

シューティングレイ

3歳にして本命に推されるであろう有力馬。

主戦の野田新之助は高らかに大逃げ宣言をしたが、数分後に調教師より撤回された。


ストライクドリーム

今年のダービー馬は秋に入り不本意なレースを続けている。

安田富一の手腕が左右しそうな予感である。


セキトバ

札幌記念と京都大賞典と古馬を相手にGⅡを連勝中。本誌はこの馬に本命を打つ。遅咲きの技巧騎手伊達直也もノリに乗っている。


12歳馬

ドリームメーカー

ジャパンカップ2連覇はもう8年前。しかし怒れる暴君はまだ衰えを知らない。今年、海外遠征で障害レースを経験。よりパワーを増したその走りで前走天皇賞(秋)を3着と好走。ベテラン的矢均も珍しく強気の発言をしている。


海外招待馬

サザビー(ドバイ)

騎手 キャスパル・ダイク


ヤードバーズ(イギリス)

騎手 浦河美幸


イフリート(南アフリカ)

騎手 ゴードン・ベルナンド


ジャパンカップに登録したドバイ馬サザビー。

今年の天皇賞(春)を制して、欧州でGⅡ2勝、GI2着2回と好成績を続けている。

ドバイの長距離の急先鋒として期待をうけるサザビーの主戦キャスパル・ダイクも今年は世界中のレースに遠征して勝ち星を重ねている。


圧倒的な先行力を武器にするサザビーが1番人気に推されたジャパンカップ当日。

2番人気に菊花賞馬シューティングレイ。

3番人気にデビルマン。

4番人気エクスキューション。

5番人気ストライクドリーム。

6番人気セキトバ。

7番人気ドリームメーカー。

8番人気ブラックエンペラー。

以下海外勢と続く評価となっていた。


2

「茜ちゃん、負けたらヌードってマジ?

てかなんで?」

ジョッキールームで美幸が山形茜に詰め寄っていた。


デビルマンの最終追い切り後の会見で山形茜は、このジャパンカップで負けたらヌードになると公約を掲げたのだ。

それは一見、追い切りの良さから出た自信のように取れたが、美幸は少し違う印象を抱いていた。

またいつもの負けず嫌いからの勢いで発言してしまったのかと心配でならなかったのだ。

各メディアが一斉にこの公約を発進し、今更なかった事には出来ない状況にまで発展している。

そんな美幸の心中を表情から読み取った山形茜は、満面の笑顔でこう答えた。

「美幸お姉様ぁ~、凄い反響になりましたよぉ~。

たかが地方の女騎手が、ヌードになるって言ったぐらいでこんなに盛り上がるなんて思ってもみなかったぁ~。

こりゃ絶対負けられませんな~」


「なんであんな事言ったの!!

もう後戻りできないわよ!!

すでに出版社同士があなたの写真集の権利を争っているらしいもの。

どうするの!?」


美幸は徐々に怒りの口調に変わっている。


「ははは!!

大丈夫だよ、美幸お姉様。


私…絶対勝つから…。

デビルマンは強い子です。

今まで勝ちをこぼしてきたのは私の未熟さから。

去年の有馬で勝てたのはデビルマンの強さと美幸お姉様の助言があったから。


今日はうまく乗るわ。

私がデビルマンを勝たせてあげる。


これくらい追い込まれた方が私燃えるんです!!」

そう言うと茜は軽く手を挙げパドックに出て行った。


美幸はその背中に自分を重ねていた。


うまくなりたい…!!

そして自分の手でドリームメーカーを勝たせたい!


あの時の自分と同じ。

茜の成長をヒシヒシと感じた。


しかし…


「だからって脱ぐって関係ないから!!」

怒りは治まらない美幸であった。


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