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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン1 chapter4
34/364

稲妻-3

夏競馬も終わり舞台はまた激戦のGⅠシーズンに突入する。

注目はクラシック二冠馬デビルカッター。

セントライト記念から始動だ。



そして世間の注目に2歳馬四天王のデビューも加わっている。


まずは先陣切って9月三週にユリノアマゾンが中山新馬ダート1200mに出走する。鞍上は河内洋一、母ヒシアマゾンにも騎乗した事がある。



ちなみにドリームメーカーは辛くもゲート審査に合格し、デビュー出来る事となった。

ゲートに入ってよかった…。



ファンタジスタも臼井調教師の元、調教を続けておりデビューは10月一週の京都芝1800mの予定だ。


俺の愛馬、ビンゴとコナンのデビューはもうすぐだ。


セントライト記念をデビルカッターが圧勝した翌週、ユリノアマゾンのデビュー戦。

もちろん一番人気。

中山競馬場には母馬ヒシアマゾンのファンも集まりかなりの盛り上がりを見せた。


ビンゴのライバル馬だ。俺もホースチャンネルを食い入るように見ていた。


ゲートが開きレーススタート。


序盤シンガリにつけたユリノアマゾン。


早めの抜け出しであっさり交し一着でゴール。


「まだ遊びながら走ってまんな~」

宝田が感想を述べた。


ゴール後、実況アナが言った。

「女傑の夢を継ぐ為に…ユリノアマゾン堂々のデビュー!」



10月一週京都第4R新馬1800m10頭立て。


一番人気のファンタジスタの背中には天才滝豊が股がった。この日、中山ではGⅠスプリンターズステークスが行われるが、こちらも盛り上がっている。


馬主の春文と共に京都競馬場へと向かった俺はかなり緊張していた。

あのビンゴがデビューするのだ。生まれた時に俺はあいつを抱きしめて泣いた。あの小さかったビンゴが天才を背に走る…興奮しないわけがない。


パドックで見たビンゴは凛々しく、勝利を確信する程だった。

しかし変わらない流星を見るとなんだかまた泣けてきた。



『さぁ今年の最有力2歳馬ファンタジスタのデビュー戦です』


心臓が高鳴る。


『各馬体制完了…スタートしました!』


ファンタジスタは中団待機。天才は馬群に入れて馬を落ち着かせる。


『さぁ直接に今入った!一番人気のファンタジスタはまだ中団!』

天才の腕はまだ動かない。


『残り200を切ってファンタジスタまだ動かないぞ!これは届きそうにない!』


おい!豊!


しかし一瞬の出来事だった。徐々に外に持ち出したファンタジスタは天才のムチひとつで残り100mで前にいる5頭を一気にかわした。

『こ…これは驚いた!ファンタジスタ一着でゴール!その姿が霞んで見える程の豪脚!』

着差はクビ差。しかし素人の俺にもわかる…この馬の強さが…。

ムチが入り加速した時…一瞬…本当にビンゴが霞んで見えたのだ…。


「やったな飛田くん!!」


春文が抱きついてきた。


よ~し!みんな笑え!俺は今から号泣するぞ!我慢なんて出来ないから!


「う”わ~~~!!」


わたくし飛田雅樹32歳独身。人目憚らず泣きました。



本当によかった…!


牧場の家に生まれて本当によかった…!



この時…俺は長年呪縛のように縛られていたコンプレックスから解放された。


滝豊騎手のコメント

『狙い通りの展開でした。凄い馬ですよ。来年はこの馬でダービーを狙います。』


臼井調教師のコメント

『1800でもちょっと短かったかもしれない。距離が延びればもっと良くなる』


馬主の吉野春文氏のコメント

『最後は一瞬ヒヤリとしたが、やっぱり凄い馬ですね』


生産者の飛田雅樹氏のコメント

『(号泣の為コメント不可)』


次走は12月二週のエリカ賞だ。



前走ダートで勝ち上がったユリノアマゾンは次走に《デイリー杯2歳ステークスGⅡ》に登録。

ロンバルディアは10月五週の東京新馬1800mでのデビューが決まった。

ドラゴンウイングは11月一週の京都新馬2000mの予定。


ドリームメーカーのデビューは12月に食い込む様子。

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