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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン6 chapter3
323/364

東京優駿-1

日本ダービー枠順確定。


1枠1番アルバトロス

三田崇

3枠5番オメガフライト

浦河美幸

3枠6番フレンドリーシップ【外】

ジョニー・クラフト

4枠7番アドバイザアーロン

福島祐一

5枠9番シューティングレイ

岡恭一郎

5枠10番クラウディハート

山形茜

7枠13番カスカベアクション

野田新之助

8枠18番ストライクドリーム

安田富一



東京競馬場。


この日の日本ダービーは、例年とは異を構える光景であった。

観衆に手を振る皇太子の横に

笑顔のジェイク・モハメッド。UAEドバイ首長国の国王である。

国賓として最大級の接待を受けるモハメッド殿下のすぐ後方には日本初の女性総理になった、大池百合絵も姿をみせていた。

日本政府がモハメッドに媚を売るには理由があった。


先の衆議院選挙で民社党が圧勝を収め、与党の自由党はかろうじて連立する公民党のおかげで政権を継続できる状況にあった。

しかし当時の民社党の党首だった鳩村幸秀の口だけの票集め主義が露見し、ねじれ国会はひとつも国策を成立できず、少子化対策どころか100年に1度の大不況まで引き起こす事態にまで発展。日本国は沈没寸前にまで陥った。

1番壊滅的だったのは民社党が推薦した名古屋市長の山倉やすしの傍若無人な政治思想による【名古屋独裁理念】は、失業率の驚異的な上昇が原因の自殺者の多発まで引き起こした。


日本国民は民社党を選んだ己の愚かさを恥じ、民社党支持者への差別にまで発展する社会現象まで生んだ。しかし民社党の黒幕である小倉太郎の失脚など、衰退の一途を辿り、日本は復興の一歩を踏み出した。

そんな時、アジアの富豪国ドバイの援助が日本に新たな経済活路を示唆した。


そのドバイのモハメッドに取り入る事により、日本は生き残る術を得たのである。


「まったく・・・まるでドバイの犬だな。」

一人の記者が呟いた。


それを聞いた安田は少しうつむいた。


(とんでもない時代になったな。)


この大不況は競馬の売り上げにも多大な影響を及ぼし、馬産地にも馬が売れない状況を生んだ。

社来やダーリー・ジャパン、龍田ファームや飛田牧場などの有力企業による小規模生産者支援も充分な手が回らず、息絶える牧場は後を絶たない。


残念ながら今の日本に自給の道はなく、ドバイを中心とした先進国に牽引してもらうほかない末期的な状況であった。


(ドバイの犬・・・いや、それ以下だな。)


日本がもう一度、先進国に返り咲くには、世界の舞台でのアピールが必要である。


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