CROSS LOAD-4
チャーチルダウン競馬場で行われるケンタッキー・ダービーはダート2000m。
『マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム』の大合唱で幕を開ける世界競馬界のビッグタイトル。
毎年15万人の観衆がつめかける。
今年は20頭フルゲートで混戦が予想されているが、その筆頭は昨年のBCジュべナイル馬イグジット。前走ドバイダービーでは4着と敗れたが今日は1番人気に推されていた。
騎手は新しいパートナーとなる日系アメリカ人のK・ナカモト。アメリカのトップジョッキーの一人だ。
2番人気に前走ドバイダービー優勝のグランディア。アルゼンチン代表がチャリオス・ディアスを背に栄冠に挑む。
3番人気に前走サンタニアダービーを勝ったエアマスター。
父をラストハリケーンに持つ風の一族。騎手はキャサリン・エバンス。
4番人気はブラジル馬のザンジバル。鞍上ホセ・カルロス。
5番人気はドバイからの刺客パプテマスシロッコ。騎手はカミュー・ジバン。
ピリピリした空気を漂わせながら『マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム』の大合唱がチャーチルダウンに鳴り響いた。
7
『各馬一斉にスタートしました!
ザンジバルがレースを引っ張ります!4馬身ほどのリード!
続いてパプテマスシロッコ!
人気のイグジットは馬群の中ほど5~6番手か!
その後ろにグランディア!
エアマスターは10~11番手場群の後方!
その後は縦長に10頭追走!
少し早いペース!
1000mを通過して展開に動きはない!
淡々とレースが進んでいきます!』
カミューは位置取りに細心の
注意を払っていた。
パプテマスシロッコの主戦であるキャスパル・ダイクからの乗り替わりでアメリカにやってきた。そのキャスパルは極東のビッグタイトルを奪取した。
「好位で抜けて押し切る!」
カミューはその時を集中して待っていた。
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『ザンジバルが先頭で第3コーナーを通過!
後ろが徐々に詰まってきた!
2番手パプテマスシロッコが1馬身差で追走!
イグジットも3番手に!
グランディアも外から4番手!
エアマスターも来ている!
さあ!直線に入った!
先頭はザンジバル!
しかしここでパプテマスシロッコが先頭に変わった!
残り200を切った!
先頭はパプテマスシロッコ!
半馬身差の2番手にイグジット!
グランディアも差はない!
前3頭が並んだぞ!
残り100!
グランディアが頭ひとつ出ている!
このままグランディアか!?
外から1頭来た!
エアマスターだ!
一気に!
一気にエアマスターが2番手に!
グランディアに並んだ!
エアマスターが交わした!
エアマスターさらに引き離す!
1着はエアマスター!
キャサリン・エバンスは大きなガッツポーズ!
2着はグランディア!
3着はパプテマスシロッコか!?
4着はハナ差でイグジット!
エアマスターが見事ケンタッキー・ダービーを制しました!』