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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン6 chapter2
316/364

CROSS LOAD-1

桜花賞はセラが勝ち、皐月賞ウイークに入った。

2強の初顔合わせとなる皐月賞が注目を集めているが、もう1頭クラッシク戦線に復帰を図る馬がダービートライアルに向けて調教を続けていた。


ストライクドリームは3週後のプリンシパルステークスに登録している。


調教師の原の指示により、担当厩務員の三杉がストライクドリームの管理をしている。

調教には主戦の安田富一が毎日乗り、脚元強化に努めていた。


1戦1勝馬であるから出走は抽選になる。しかしダービーへの道は限られている。


不安を感じながらも、ストライクドリームは急ピッチで仕上げられていた。


中山競馬場

皐月賞

(芝2000 GⅠ)

クラシック第1冠。


『今年も中山競馬場に若駒が集いました!

3年前に生まれた9000頭のサラブレッドの中から、この皐月賞の狭き門をくぐった18頭!


本日の1番人気はアルバトロス!鞍上三田崇!

2番人気シューティングレイ!鞍上岡恭一郎!

3番人気オメガフライト!鞍上浦河美幸!

4番人気クラウディハート!鞍上山形茜!

5番人気ドラゴンディール!鞍上中立栄一!

18番人気カスカベアクション!鞍上野田新之助!

以上18頭!」

岡恭一郎はパドックでチラリと観客の一人を見た。


茶髪のいかにもヤンキー上がりの女性。


岡恭一郎の婚約者である野田ひまわり。


野田新之助の妹である。


二人は夏に挙式予定。


岡は、

(その頃には皐月賞とダービーの2冠を勝っているな。)

と自信の境地にいた。


目と目で合図をした二人は、無言の意思確認をした。



その後ろに18番人気カスカベアクションに騎乗している野田新之助が呑気な表情でパドックを回っていた。


『各馬ゲート入り完了!


おっとシューティングレイがゲート内で暴れています!?


これは一旦ゲートを出されます。


なんとなんとシューティングレイは大外発走となりました!

いきなりのアクシデントに波乱の予感!


皐月賞・・・


スタートしました!


1頭、シューティングレイが大きく出遅れた!』


間もなくスタートです!』


岡は強烈な焦りに襲われていた。

気難しいシューティングレイの最悪のパターン。

GIの大観衆の目前でのスタート地点が引き出してしまった気性の欠点。


すぐに修正をはかりたいが、出脚の遅いシューティングレイは見る見るうちに5馬身離されるシンガリでの追走を余儀なくされた。


『素晴らしいスタートを切ったアルバトロス!

2馬身後ろにドラゴンディール!


クラウディハートが先行集団を引っ張る3番手!


オメガフライトは馬群の中団で落ち着いた!


馬群の最後方にカスカベアクション!

さらに5馬身離れてポツンと1頭シューティングレイ!


以上18頭!スタンド前を通過して最初のコーナーに進出していきます!』


三田崇は絶好のスタートを切った。

自分のアルバトロスとシューティングレイは2強と言われているが、圧倒的な自信を持っていた。

朝日杯での敗北は距離の不向き。2000m以上ならこの世代では敵はいない。

自分が騎乗した兄ロンバルディアや三冠馬ヴィクトリーロードの手綱に負けるとも劣らない力強さをひしひしと感じながら、【孤独な旅】の先にある1冠に意識を向けた。


馬群の先頭で逃げる前2頭を見ながら、山形茜はクラウディハートの手綱を絞っていた。

すでに6馬身は差があるアルバトロスへの仕掛け所を探っていた。


美幸は位置取りに苦戦をしていた。

オメガフライトの瞬発力を生かして、徐々に捲って直線での競り合いにもっていきたい。

しかし内に閉じ込められては前が開かない。バックストレッチに向くまでに、1コーナーと2コーナーの間で外への道を作らなくてはならない。

意識を集中させて第1コーナーへと入っていった。


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