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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン6 chapter1
314/364

翔べ!ドリームメーカー-12

ホースニュース


●高松宮記念

グングニルが勝利!

昨年のスプリンターズステークスに続きGI3勝目。次走安田記念の予定。


●ドバイデューティーフリー制覇

ドラゴンアマゾンは帰国後、安田記念に出走予定。


シーマクラシック6着と惨敗したエクスキューションは帰国後、天皇賞(春)に登録。


ドバイワールドカップから帰国したデビルマンは次走金鯱賞から宝塚記念へ。

フュージョンは帝王賞へ。


●天皇賞(春)に海外馬参戦。


ケルベロス

(牡4 南アフリカ)


サザビー

(牡5 ドバイ)


20

4月2週。

英国エイントリー競馬場。

世界一過酷なレース

グランドナショナルの日がやってきた。

距離は4マイルと4ハロン(約7242メートル)、計16個設置されている障害を延べ30回飛越する。イギリスでは最も人気のあり馬券の売れる競馬の競走である。格付けはグレード3である

ほぼ毎年出走可能頭数の限界の40頭の出走馬を集めるが、年によっては完走頭数が10頭を切ることも珍しく無い事から世界一過酷な障害レースと言われている。以前は発走の際スターティングバリアーの直後に整列していたが発走の遅延が絶えなかったため、2008年より他の競走同様にバリアー後方から整列せずにスタートを行う方式に変更された。

このスタート地点にドリームメーカーがスタンバイしていた。



騎手村木義男は緊張の極みにいた。

GⅢながら障害レースの最高峰に位置するこのレースは、障害騎手たちの目標の舞台である。


日本とは違い欧州での障害レースの地位は高い。


この舞台での勝利は障害の世界No1を決める究極のレースなのだ。


そのレースでドリームメーカーは2番人気の上位に推されている。


1番人気はレッドジャム。

英国障害の代表的なGIチェルトナム・チャンピオンハードルを3連覇。アイルランドの障害GIアイリッシュチャンピオンハードルを4連覇している9歳の欧州障害最強馬。

極めて特異なこのレースにはこれまで出走を見合わせてきたが、ラストレースとして参戦してきた。

騎手ルビー・ウォルフは世界中の障害騎手のカリスマ的存在である。


「おい・・・ドリームメーカー・・・とんでもない場所に来ちまったな・・・」

村木は回りにいる40頭の出走馬を見渡した。


ウ・・・ウ・・・ウリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!



そんな村木の気持ちなどお構いなしにドリームメーカーの

雄叫びが轟いた。


エイントリー競馬場のナショナルコースという特別なコースを2周する。障害の数は16個を2回、すなわち32回の飛越がおこなわれる。


このレースにはゲートはない。

スタート地点に40頭が一斉に並び、合図とともにスタートを切る。


村木は集中していた。

スタートで一気に前につけなければならない。

立ち遅れはまさに命取りだ。


毎年40頭出走して完走が10頭以下のレースである。

様々な落とし穴も潜んでいる。


高らかに鐘が鳴り響き40頭が一斉にスタート。


ドリームメーカーはいち早くスタートを切った!

(よし!!)


村木はまずひとつ課題をクリアできた。

一気に先頭に踊りでたドリームメーカー。その他の強豪馬やレッドジャムも同じく先頭に取り付いた。


アクシデントはいきなりやってくる。


第一の障害。

先行組の15頭は無事飛越。

ドリームメーカーもこの中で障害を越えた。


その後方、1頭の飛越失敗に11頭が巻き込まれ競走中止。騎手が馬から投げ出される地獄絵図の光景が広がった。


ひとつの障害に40頭が一気に突っ込むのだ。事故に巻き込まれないためにも、いいスタートでできるだけ前につけることがこのレースのセオリーである。


無事第一障害をクリアしたドリームメーカーだが、もちろんまだ安心はできない。


まだ7000mもあるのだから。

削除

はじめの1000mは淡々とスローペースで進んでいた。

ドリームメーカーは4番手に位置。前に行きたがっているが村木が一生懸命抑えていた。


レッドジャムは2番手で折り合っていた。百戦錬磨のレッドジャムは騎手に従順に従ってレースを進めている。


2000mを過ぎて村木は後ろを振り返った。

40頭いた出走馬の半数が姿を消している。


サバイバル戦。


まさに生き残りをかけたレースである。


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