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かけがえのないもの-7
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「山形さん。やったわね。私はなんとか5着に残れたわ。」
写真判定中、ジョッキールームで美幸は山形を激励した。
「なんで?なんで私にあんなアドバイスしたの?」
怪訝な顔で茜が問う。
「フフ、だって見てられなかったんだもん。
私ならもっと楽に勝てたかな~」
悪戯に笑う美幸に茜の顔は和らいだ。
「変な人ね…浦河…さんって…」
『確定です!
1着デビルマン!
2着ドラゴンアマゾン!
3着ファンタジック!
4着ヴィクトリーロード!
5着ブラックハート!
見事に大井からの刺客デビルマンが中央のグランプリを制しました!』
「さ、表彰式行ってらっしゃい!」
笑顔で美幸は茜の背を押した。
感涙に顔をクシャクシャにした茜は美幸に抱きついた。
「うっ…う…行ってきます…
美幸お姉様~!」
『来年はまさに戦国クラシックです!
新たな歴史の幕開けに期待が膨らみます!』
完