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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン1 chapter3
30/364

雷鳴-6

《ホースニュース夏増刊号》特集!!期待の新馬


来年のクラシックを担う若駒が続々入厩予定。

前評判の高い期待の4頭に注目したい。



ファンタジスタ

牡2 黒鹿毛

父ダンスインザダーク

母ファンタジア

来月、臼井厩舎に入厩しデビューは10月予定。


ユリノアマゾン

牡2 青鹿毛

父ミスタープロフェクター

母ヒシアマゾン

すでに橋本厩舎に入厩しており9月デビュー予定。



ドラゴンウイング

牡2 芦毛

父ブライアンズタイム

母ドラゴンベリー

古室厩舎に入厩済みだがデビューは11月になるようだ。



ロンバルディア

父ディープインパクト

母エアグルーヴ

来月、伊藤厩舎に入厩予定。デビューは10月予定。



片隅の小さな記事に

《育成施設のスタッフが相次いで怪我。原因は飛田牧場所有馬のドリームメーカー…》

俺はすぐにホースニュースを閉じた。


宝塚記念を観戦しに阪神競馬場に行く途中、栗東に寄った。


ドルフィンリングの様子を見る為だ。入厩してまだ3週間。きっとスパルタ調教されているだろう。


厩舎に顔を出すと原辰巳がいた。初対面だがすぐにわかった。だって暑苦しさが伝わってきたから…。

ドルフィンリングの馬房の前に案内されると、相変わらずプルプル震えるココロがいた。


「こいつもう怖がっちゃって、馬房から出てこないでっス。」


よく話を聞くと、武田調教師の坂路中心のスパルタに脅えてしまったのだと言う。


ドルフィンリングはデリケートなのだ。優しく接しないと傷つき心を閉ざす病弱な乙女なのだ。


さすがに俺も武田調教師に文句を言った。

「ドルフィンリングは体が丈夫じゃないんです!」

武田調教師はこちらを見ようともしない。


クソジジィめ…


キレた俺は武田調教師に掴みかかろうとした…しかし突然背後から凄まじい力で掴まれ外に投げ飛ばされた。

村木だった。身長155cmの小さな体とは思えない力。これがプロの騎手なのか…。

「飛田!プロの仕事に口を出すな!今日は帰れ…!」


ピシャリと扉を閉められて俺はその場でヘタリ混むしかなかった俺に原辰巳が声をかけてきた。

「飛田オーナー。俺らを信用してください。うちのテキ(調教師)を信じてください。」


なんなんだ!?なんで俺がこんな目にあわなきゃいけないんだ!?


頭にきた俺はその辺にあった椅子を思いっきり蹴り飛ばし栗東を後にした。



訳分からんジジィに馬を潰されそうだし、騎乗馬がいなくて週末栗東にいる騎手に投げ飛ばされるし、暑苦しいやつに説教されるし…。



飲まなきゃやっとれん気分になっていた俺は阪神競馬場に着いた頃には酔っぱらっていた。



アドバイザシュートが勝った宝塚記念。俺は寝てしまい見られなかった。


なにしに来たんだ俺は…。

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