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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン5 chapter8
295/364

かけがえのないもの-1

『ラジオNIKKEI杯2歳ステークスがまもなく発走となります!

1番人気はもちろんシューティングレイ!

岡恭一郎を背に来年を伺うこのレースに挑みます!


2番人気は牝馬のユリノマーベリック!

前走エリカ賞を勝っての参戦!

騎手は三田崇!


3番人気はイオキャプチャー!

騎手はターフのアイドルマッキー!

7番人気ライヤーゲーム!

騎手は浦河美幸!

10番人気アクションビーム!

騎手は野田新之助!

以上12頭!』


『スタートしました!

まずは野田新之助とアクションビームが引き付けながら逃げます!


続いてマッキーとイオチャプター!


ライヤーゲームと浦河美幸は中団やや後方!

それを見るようにユリノマーベリックと三田崇!


最後方に人気のシューティングレイと岡恭一郎!』


シューティングレイの前走同様シンガリからの展開に、前を行く全馬に緊張が走る。


「美幸!後ろに気をつけろよ!」

美幸の後方から三田崇が注意を促す。

美幸は背中で頷いた。


『さぁ!残り800を切ってペースが早くなります!

先頭はアクションビーム!

外を回ってライヤーゲームとユリノマーベリックも上がってきたぞ!


しかしシューティングレイはまだ動かない!』


「ほっほ~い!!

美幸ちゃんと三田くん待ってたぞ~ぅ!」

野田新之助が呑気に叫ぶ。


「バカ!早く追い出せ!


来るぞ…!!」


必死に手綱をしごきながら三田崇が野田に怒鳴った。


「まだ600mもあるのに早いぞ~ぅ??」


野田は横に並びかけてきた美幸に言った。



「いえ…早くないわ…!!

新ちゃん!!


来るわよ…!!」


美幸の真剣な目に事態を把握したの野田はアクションビームに一発ムチを入れた。


『残り600を切ってシューティングレイが動いた!!


グングン位置を上げて行きます!


前はアクションビーム、ユリノマーベリック、ライヤーゲームの3頭!


400を切って直線に入った!』


『さぁ!早めの仕掛けでユリノマーベリックとライヤーゲームが先頭に立ちました!

アクションビームも食らいついていく!


しかし…後ろから凄い脚でシューティングレイがやってきた!』


シューティングレイはまさに風のように1頭1頭確実にかわしていく。


「うほほ~い!

凄い馬だぞ~ぅ!!」

まずかわされた野田新之助が叫ぶ。


「!?」

あまりの豪脚に声にならない浦河美幸。


「こりゃ勝てんわ…」

三田崇の呟きがこのレースの終演を告げた。



『これは素晴らしい!


シューティングレイが直線一気の豪脚であっと言う間に先頭に立ちました!



岡恭一郎は持ったまま!!


しかし加速は止まらない!?


シューティングレイが5馬身差をつけてゴール!


鮮やかに重賞レースを勝ちました!


それにしても強い勝ち方です!


来年のクラシックが楽しみです!』

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「新之助先輩!

やりました!」

ジョッキールームに帰ってきた岡恭一郎が野田新之助に笑顔で近付いてくる。


「ほっほ~い!凄いぞ恭一郎くん!」

抱き合いながら喜ぶ二人を遠目に眺める三田崇と浦河美幸。


「あの二人ってそんなに仲良いの?」

美幸の問いに三田崇は、

「そりゃもう見てて気持ち悪いぐらいな。」

と怪訝な顔で答えた。


岡が競馬学校時代に見た野田とフェニックスの菊花賞。

この鮮やかな勝利が、岡の中で憧れのジョッキーナンバーワンの座が武豊から野田新之助に変わった瞬間であった。


デビュー以来、野田を心の師と仰ぎ、まるで本当の兄弟のような絆を培っている。


「よ~し!じゃあ今夜は調整ルームで祝杯だぞ~ぅ!」

野田の威勢に岡は、

「はい!新之助先輩!」

と元気に答えた。



「…たしかに気持ち悪いわね…」


美幸の呟きに三田崇は深く頷いた。


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