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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン1 chapter3
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雷鳴-5

今年の種付けは18頭。現役を終えた出戻り牝馬が7頭増えたのだ。

宝田はあれ以来すっかりいつものお調子者に戻った。



今年も宝田に種付け配合を任せたが、ファンタジアにディープインパクトを付けたいと言い出した。吉野社長に頼めばなんとかならん訳ではなかったが、種付け料は半端じゃない。



俺は恐る恐る社来ファームへ電話を入れた。

照文さんが対応していただき2000万円にマケてくれるそうだ。

それでも2000万円か…。

昨年のアグネスタキオンとファンタジアの仔を売ったお金はまだ残っているけど…。

瑤子の顔を見た。


コックリ頷く瑤子。


「じゃあ…2000万円で…よろしくお願いします…」


我が貧乏牧場はファンタジアにディープインパクトを付ける大勝負に出た。


武田厩舎の原辰巳と言うちょっと暑苦しい厩務員から連絡があった。

「押忍!俺の名は原辰巳っていうっス!今度ドリームメーカーとドルフィンリングのお世話をさせてもらうっス!

一生懸命やるっス!


よろしくお願いしまっス!」


ドルフィンリングが

来月頭に入厩する。


ファンタジアが無事ディープインパクトとの種付けが終わり、迎えた日本最大の祭典日本ダービー。

(GⅠ 東京競馬場 芝2400m)


この日俺は春文に連れて来てもらい東京競馬場の馬主席に入れてもらった。



ちょっとした馬主同士の社交の場となる馬主席。

龍田もいて俺達はちょっとした同窓会のようになっていた。


馬主席の片隅に高橋氏が数人のスタッフと陣取っているのを見つけ挨拶にいった。しばらく談笑して元の席に戻ると龍田と春文から裏切り者と言われた。

馬主の人間関係は団地妻より難しいらしい…。



春文はライラポイントと言う青葉賞勝ち馬、龍田のドラゴンサザンは皐月賞3着馬。両馬とも上位人気馬だ。


しかし一番人気は皐月賞で圧倒的な勝ちを見せたデビルカッター。


日本ダービー発走まであとわずか…。


デビルカッターの強さは半端じゃなかった。

この日、これまでの逃げ戦法ではなく馬群の先頭に位置する先行策。


残り400メートルで逃げるアドバイザメモリーを捕えて二着のヒシガーディスを7馬身差つけてゴール。勝ちタイムはレコードではなかったが、最後騎手のペリアは一切追わずに持ったままのゴールであった為、更に強さを印象付ける結果となった。



高橋氏のコメント

『外資系馬主というだけで何年も馬主申請を却下され続けたが、やっと…ずっとお待たせしていたモハメッド殿下にいい報告ができる。』

これ以上にない勝利宣言であった。


秋にマル外馬初の三冠を目指す事になる。




その夜、龍田と春文と三人で新宿二丁目の、

オカマバー・レガシーワールド

でしこたま飲んだ。


酔っ払う俺に、

「7馬身だ…」

春文はずっとつぶやいていた。


翌日、育成施設から栗東へココロ、いやドルフィンリングが輸送されていった。


武田調教師によればデビューは8月二週の函館芝1200を予定している。


ドリームメーカーも来月には入厩予定だ。

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