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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン4 chapter1
199/364

血の宿命-3

ケンタッキー州チャーチルダウン競馬場…初めて競馬場と言うところにに来たが、なかなか華やかな場所だ。


ダービーって名前のレースは世界的にも盛り上がるらしい。

そう言えば日本でも日本ダービーってレースに皇太子が来たりしてたニュースを見たことがある。


僕はホースニュースを見ながらあるキーワードを発見していた。

ケンタッキーダービーの出走馬は皆3才の馬だ。才じゃなくて歳と書くようだ。

ちなみに今月の末に日本ダービーも行われるらしく、こっちに出走する馬も皆3歳。


なるほど…ホースニュースにもしっかり明記されてある、ダービーとは3歳しか出れないレースだと。



いろんな事を考えながら僕はベル・メッツの秘書に馬主席へと案内された。



「やぁはじめましてミスタータナベ!!(※英語です)」


「こちらこそお会いできて光栄ですミスターメッツ!!(※もちろん英語です)」


「私の事はベルと読んでくれて構わないよ!(※だから英語です)」


「じゃあ僕の事はシンと読んでください!(※もういい?)」



フランクに挨拶を済ませて席についた。

僕は今日はあまりにもカジュアルではいけない気がしてスーツにノータイで来たがこれが正解だった。

ベル・メッツはじめ馬主席には正装が多い。


この馬主席はある意味ビジネス界の社交場となっているようだ。



ベル・メッツのゲストとしていろいろな人から声をかけられた。


その話題はやはり【ウィザード】。

すでにこのアメリカでもかなりの企業が導入していて知名度もある。


ベル・メッツと一通りのビジネス談話をした後、やはり話題は競馬に向く。


想定内だ。


僕は笑顔で身構えた。


「シンは馬を持っていないのかい?」

予期せぬ先制打に僕は怯んだ。

実業家がすべて競馬に絡んでいるわけない。


まさかこれはアメリカンジョークか!?


落ち着け…なにかの罠に違いない…!!



それにしてもなんなんだベル・メッツのこの笑顔は!?さっきまでは50前後の年相応な振る舞いから、競馬に話が向いた途端、10才以上若返って見える。



「ベル、僕はまだ社長に就任したばかりでしてね。まぁ来年ぐらいには購入するつもりですよ」

僕のこの嘘にベルの顔が輝いた。


「だったら是非うちの馬をプレゼントさせて欲しい!きっと気に入ってもらえるよ!」

ベルが明らかに僕に対して《競馬》と言う【共通】を見い出していた。


しまった…間違いなく【競馬を知っている】と勘違いされた…。



「ところでシン?日本のユリノアマゾンは調子良さそうだけど、きみはどう見ているんだい?さっきミスタータツタに聞こうと思ったんだか私は彼が苦手でね。」

ベルが馬主席の端にいる龍田仁を指差して言った。


ユリノアマゾン…って?

僕はホースニュースの内容を必死に思い出した。


ユリノアマゾンは…たしか…




!!


ドラゴンアマゾンの父馬だ!!


この馬をどう見ているかって…見たことない…。


僕のメッキが徐々に早くも剥がれだした。



「ユリノアマゾンですか…そ~ですねぇ~…


あの馬は…


もう日本でナンバーワンですね~!!」


僕の神風的な発言にベルの顔が一瞬曇った…。



…ヤバイ…もうバレたか…?



「シン…最高のジョークだっ!ハハハッ!!」

笑ってる…とりあえず一瞬に笑っておこう!

アッハハ………!



「まだ初産駒が3歳のユリノアマゾンがすでにナンバーワンだなんて…

シン!きみはおもしろい男だ!」


ゲラゲラ笑うベルだが、もう全然訳がわからない。

と…とにかく…ジョークとして済んだようでよかった…!


「シン?覚えているかい?

ラストハリケーンとユリノアマゾンのバトルを?」

突然ベルが真面目に語り始めた。


「も…もちろんですとも!!」

僕は必死に頭を整理した。ラストハリケーンは…ネオハリケーンの父馬で…ドラゴンアマゾンはユリノアマゾンの子供なわけで…


昔…ラストハリケーンとユリノアマゾンはおそらくライバル関係にあったらしく…


よし!繋がった!

今日はライバル同士の子供が戦うって事だな!!


これだけですでにかなりの疲労を感じた僕などお構いなしにベルは語り続ける。

「もう5年も前になるか…二度のBCクラシックとドバイワールドカップで2頭は死闘を演じ、結果的にはラストハリケーンがすべて勝ったが、ユリノアマゾンも素晴らしい馬だった。

その息子が父のリベンジを果たしに再び海を渡りやってきた…


シン!こんなロマンはないな!」

次第に熱くなるベル。


「まったくその通り!!」

とりあえずテンションだけは合わせておこう…。



て言うか間違いなく媚ってるな僕は…。


ベルの話はまだまだ続く。

「日本の競馬はすでに世界のトップレベルにまで発展している。

あの凱旋門馬ファンタジスタの仔も今年はイギリスダービーに出るそうじゃないか?

たしかインフェルノの仔やブレイブハートの仔も出るはず。なかなか楽しみなレースだ!」

鼻息荒いベルとは裏腹に僕は焦っていた。

ファンタジスタ?

インフェルノ?

ブレイブハート?

なんとなく聞いた事があるような…が思い出せない…!



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