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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン3 chapter5
183/364

夢の架け橋-3

《ホースニュース》

-号外【夢のレース実現】-


インフェルノ

  VS

ドリームメーカー

  再び!!



驚くべきレースがクールモアより世界中に発表された。


【セーフ・ザ・チルドレン・スペシャルチャリティーレース】


世界中の貧困にあえぐ難民や、相次ぐ天災の被災地域への救済目的のチャリティーレースである。

『世界中の子供たちに笑顔を』

このスローガンの元、欧州で最大の馬産組織クールモアが先頭に立ち急ピッチで準備が進められている。


開催地はクールモアの本拠地である愛国。

クールモアの育成スタッドに特別観客席を設置して行われる。



レースは現地時間来年1月1日0:00スタート。年の変わりと同時にゲートが開く。


そして驚愕のレース内容だが、

距離は2000mの直線レース。

出走馬はたった2頭。


名実ともに世界一となったインフェルノ。

引退を取り止め、ラストもう一戦、世界中の子供たちのために立ち上がった。


もう一頭は我らが日本のドリームメーカー。凱旋門とBCターフをともに2着。事実上世界一と二の贅沢なマッチレースとなる。


アメリカの大馬主ベル・メッツ氏の協賛で、氏が世界展開する【マイクロ・システム社】の技術によって、世界中の競馬ファンがこのレースに投票できるシステムを開発した。

詳しくはマイクロ・システム社、もしくはクールモアのHPにて確認されたし。


このたった1レースは世界中にライブで配信され、その売り上げは一夜にして数百億から数千億と言われており、利益のすべては慈善事業団体へ寄付される。



世界最大規模で行われる夢のレース。


2000m直線のマッチレースで真実の世界一が決まる!!



俺は一旦日本に帰国した。

あっちにいたら失神連続で本当に死んでしまう。


宝田の言った【マッチレースならインフェルノに勝てる】の言葉に相羽のババァは動かされたらしい。

とにかく相羽のババァが動くと競馬界が動くと言っても過言ではない。


とんでもない人と親戚になってしまった…。


しかしこれでもうワンチャンス得る事ができた。


次のドリームメーカーは100%のアイツが見られる。


俺は、桜スタリオンステーションに無事入ったユリノアマゾンとシンフォニアの世話をしながら世界最大のマッチレースに心踊らせていた。


エリザベス女王杯をピンクオメガが勝ち不動の女王の座を手にいれ、マイルCSは3歳馬ウルトラソウルがホワイトファングを下した。


迎えたジャパンカップは新旧世代入り乱れた混戦の予感を漂わせていた。



1番人気は欧州から舞い戻ってきたステージクロスと浦河美幸。

2番人気は3歳菊花賞馬スターレジェンド。騎手は滝豊

3番人気4歳馬フェニックス。騎手は野田新之助。

4番人気5歳馬ロンバルディア。三田崇。

5番人気、欧州から参戦シャマルティン。ルメーニ。

6番人気ダービー馬ドラゴンスペシャル。柴原正人

7番人気フサイチチャンプ。田中勝。

8番人気 ファンタジスタと原田成二。

9番人気シャイニングハートと安田富一。




全18頭で行われる。



俺は東京競馬場に向かった。



『今年のジャパンカップは昨年と一昨年2連覇したドリームメーカーが世界最大のマッチレースに参戦の為回避いたしました!


そして本日1番人気に推されたのは帰ってきたステージクロス!


運命の一戦!

ジャパンカップ…


スタートしました!』


俺はファンタジスタとシャイニングハートに視線を集中した。


シャイニングハートは先行集団後方。人気のステージクロスと併せる展開。集団を引っ張るのはロンバルディアとフサイチチャンプ。


ファンタジスタはすぐ前にスターレジェンド、すぐ横内にドラゴンスペシャル、外にはフェニックスと最後方で3・4歳馬に囲まれていた。



浦河美幸はじっくり攻める騎乗を心がけていた。

ステージクロスが帰ってきた東京競馬場2400m。日本ダービーの事故から1年半。

美幸にとっても初めて勝ったGⅠの舞台。


今年から欧州に拠点を移した美幸は【大和撫子(ヤマトナデシコ)】の愛称で人気を得始めている。そのしなやかな騎乗スタイルと折り合いが評判を呼び鞍も増やしている。


その美幸とのコンビでドバイDFを始め、英国でGⅠ2勝をしたステージクロス。


父トウカイテイオーと祖父シンボリリドルフから受けた皇帝の血はこの東京2400mのためにあると言っても過言ではない。


3世代での頂へ…ステージクロスは虎視眈々と中団を疾走している。



1000mを過ぎたあたりでフェニックスが徐々に前へ進出していく。


野田新之助はフェニックスのライバルとして覇王ロンバルディアに注意を集中していた。


勝利した春の天皇賞では2着、宝塚記念は先着されている。秋の天皇賞は辛くも先着したが、今年の大舞台で常にフェニックスを脅かす存在は昨年の主役ロンバルディアだった。


ロンバルディア鞍上の三田崇は同期。お互いを理解し合う仲間であり競ってきたライバル。


中団にいるステージクロスの横にまで位置を上げた野田。

ステージクロスの鞍上の美幸を横目で見る。


同じ年にデビューしながら『差をつけられたな』と常に思う。


三田はダービーを始めGⅠ4勝。浦河美幸に至っては国内GⅠ6勝に加え海外GⅠ4勝を挙げている。



しかしフェニックスで獲った菊花賞と天皇賞(春)によって第一線で活躍しはじめた野田。


間違いなくこのレースはロンバルディアかステージクロスか…自分だ…!!


いつもより前でレースを進めていく。


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