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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン3 chapter5
181/364

夢の架け橋-1

アメリカからイギリスへ向かう豪華客船【クイーンエリザベスⅡ世号】。

この船の特等客室に相羽ゆりは乗っていた。


「相羽さん…マズいっスよ…絶対マズいっスよ…」

と今回の誘拐事件主犯の原辰巳。


「あ~ら原くん。なにをそんなに脅えているのかしら?男ならド~ンと構えてらっしゃい。」

高級ソファーに座り優雅にワイングラスを傾ける黒幕の相羽ゆり。


「もう俺は終わりだ~!」

頭を抱える原に、


「大丈夫よ~きっとうまくいくわ。

フフフ…今頃みんな大騒ぎしているでしょうね~」

と無邪気に笑う相羽。


原にしてみれば逆に相羽にハメられた被害者である。相羽から【武田の指示】と伝えられドリームメーカーを乗せた馬運車は、アメリカ滞在厩舎ではなくこのクイーンエリザベスⅡ世号へと乗り込んだのだ。


「でも相羽さん…?

本当に【そんな事】可能なんですか?」

脅えながら原が相羽に聞いた。


「フフフ…!もしできなかったら…私たちは本当にただの誘拐犯ね。ん…?罪で言うと窃盗罪かしら?アハハハ~!」

相羽のバカ笑いに青ざめる原。



「ねぇ原くん?この船には大きなカジノがあるのよ~これで遊んでらっしゃい。」

相羽は原にブラックカードを渡して立ち上がった。


「あ…ありがとうございます!!


ん?相羽さんはどちらへ?」


「私は貨物エリアのコナンちゃんにお食事を差し上げてくるわ。」


笑顔で客室を出ていく相羽。


原はカジノへと向かいシャバでの最後の豪遊になるかもと決意し…負けまくっていた。


「グルル…」

貨物エリアの一角をチャージした相馬。ドリームメーカーは普通に【放牧】されていた。


「コナンちゃ~ん!

どう?海の旅は?


あら?まだ負けた事を気にしているの?

さぁ!この一本5万円の人参をたくさん食べて元気出して!あっ!お肉の方がよかったかしら?アハハハ!」


相羽に圧倒されてとりあえず人参をほうばるドリームメーカー。


「もう5年経つのね~。あのセレクトセールから。瑶子ちゃんをからかってやろうと思ってセリに参加したのだけど、本当にあなたを買っていればよかったわ~。」


相羽の言葉に耳を傾けるドリームメーカー。


「でも本当に強くなったわ。アマゾンちゃんより強くなっちゃったわね~。

残念だけどアマゾンちゃんはもう引退。本当によくがんばってくれたわ。

あっ!そうそう!アマゾンちゃんはあなたのオーナーのスタッドに入るのよ~。あなたもその内引退したらそのスタッドに入るから…アマゾンちゃんをイジメちゃダメよ~。あの仔は本当に優しい仔だからきっと仲良しになれるわ。」


相羽は鼻筋を撫でた。おとなしく撫でられるドリームメーカー。


「本当は…最後までがんばったアマゾンちゃんに着いていてあげたかったのだけど、あなたの方が急を要する展開なの。

心配しないで!私にまかせておいて!

ジョンには昔大きな【貸し】があるの。

大丈夫よ!きっとうまくいくわ!

あなたは瑶子ちゃんの子供でしょ?だったら私の子供も同然。」


相羽の優しい眼差しにドリームメーカーも安心しているようだ。


「あなたに私の取って置きの秘密を教えてあげるわ。

こんな事恥ずかしくて大きな声じゃ言えないから瑶子ちゃんたちには内緒よ。」


相羽はドリームメーカーの耳に顔を近づけて小声で


「実は………なのよ。」

と言った。



船は順調に航路を目指していた。


「まったくどこに行っちまったんだ!?」

俺は依然消息のわからないドリームメーカー探しに奔走していた。


瑶子の元に送られた一通のメール、

『ゆりにおまかせ!アマゾンちゃんは桜スタリオンに無事届けてね』

これが唯一の手掛りだ…ってわかるか!!


イギリス行きのでっかい船に馬運車が乗り込んだという目撃情報も仕入れている。問い合わせると相羽の名前で貨物エリアの大半が競走馬運搬用途でチャージされていた。


間違いない…相羽のババァだ…。


おそらく一緒に姿を消した調教助手の原辰巳も共犯だろう。


これは間違いなく犯罪だ。あのババァと原を告訴してやる!!



とりあえず俺はドリームメーカーの探索を相羽の後を追いイギリスに渡った瑶子に委ね、ユリノアマゾンの受け入れ準備をはじめる事にした。



3日後…瑶子からの電話が鳴る。


「雅樹さん!ドリームメーカーが見つかったわ!」


「本当!?どこにいたの?」


「アイルランドのオブライアン厩舎に!」


アイルランド!?


オブライアン厩舎って言ったらたしか…クールモア傘下の調教師じゃないか…!?


なにを企んでいるんだババァ…。


「ドリームメーカーは?」


「ええ、とても元気よ!相羽の叔母さんも原さんも一緒よ」



俺は原の【保護者】である武田師と共にアイルランドへとすぐに飛んだ。



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